可愛い妹の育て方
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昔、美術館で見た女神を描いた絵画はそれはそれは美しく。綺麗で感動した。
けれど、それに負けないくらい美しいものを俺は生まれて3年後には知ることになる。
ーーーー妹の湖姫だ。
それはそれは愛らしい天使のような子だった。
小さい頃は、何をするにも「お兄ちゃんお兄ちゃん」とついてきてくれた…
16歳になった湖姫は天使から女神に変わっていた…
しかし、女神は昨日、不思議な魔法で女神から天使へと戻ってしまった…。
昨日学校から湖姫が帰ってきたと思い玄関へ迎えに行ったら、そこには普通科の制服をブカブカと身に纏った湖姫の姿だった。
そのあとは、年齢を聞いたりどうしてここにきたのかわかることを聞いた。
この湖姫は現在5歳でお家でうたた寝していたら、気づけば玄関にいたらしいお家が変わっていないからお家自体には違和感を感じていないがどうやら大きい俺には違和感を感じているらしい…。
お兄ちゃんとは言わず、いずみくんと呼んでくる。それも可愛くてたまらん…。
さすがに、夜だったこともあるしお風呂に入れてあげればはしゃいで、髪を乾かしてやると俺の膝の上で眠りこけてしまった。
泉「ほんと…可愛いよねぇ…」
明日からどうしたもんか…でも今はこの天使を愛でるのに全てを捧げよう…そう考えながら湖姫をベッドに運び俺もその隣に添い寝した。
綺麗な満月が俺と湖姫を照らしながら、2人を夢の世界へと連れ出したーーーーーーー
どうか、この夢が少しの間続いても……いい、なんてね…
無機質なアラームに起こされた俺はいつも通りのモーニングルーティンを…こなせそうにないな…♪
愛らしい天使が俺の隣で寝ている…可哀想だけど起こしてあげないとね。それからあれしてこれして、と頭の中で朝の予定を立てていく。
泉「湖姫ちゃん、起きて♪朝だよぉ〜」
『んぅ…んやぁ〜〜…』
泉「ふふっ♪ほら起きて〜」
小さな天使をお姫様抱っこして洗面所まで運ぶ途中で湖姫は目をこすりながら、俺の顔をじっと見るとふにゃっと笑う。俺と同じアイスブルーの瞳が三日月の形になる。「いずみくんおはよぉ」とトロンっとした口調で言う天使のおでこにキスを落とし俺も「おはよぉ」と返事する。
一緒に顔を洗って歯を磨いて、ご飯を食べようとリビングへと向かおうとすると手馴れたものなのか、湖姫が先に歩き出す。天使の足跡を追うように俺もリビングへと続いた。
『いずみくんっ!わたしはオムライスをごしょもうだよっ!』
泉「はいはい〜♪たまごはふわふわをご所望かな?お姫様?」
『うん!ふわトロのいずみくんとくせいオムライス!』
泉「じゃあお手伝いしたら、ふわとろの特製オムライスに大好きなりんごジュースつけてあげる~」
『わぁい!!おてつだいする!!』
天使は朝からオムライスをご所望だったので、早速準備にかかる。台拭きを渡すと食卓を拭き、自主的にランチョンマットを用意する。
湖姫専用グラスにりんごジュースを入れ俺は自分のグラスに水を入れる。
普段は朝からオムライスなんて食べないが天使がお望みならオムライスくらい多少の誤差だ。
完成したオムライスを綺麗に盛り付け包丁で卵をカットするとトロトロとチキンライスを隠していく。
それに感動したのか湖姫が「わたしも!」と言うので包丁を持たせその上から俺の手を重ねる。
それで切ってやれば「はわわわ」と感動の声を漏らしていた。完成したオムライスをもって天使はランチョンマットの上にオムライスとスプーンを並べる。
俺も自分のオムライスと2人分の飲み物をもって食卓につく
『いただきますっ♪』
泉「はい、ど~ぞ」
『おいしいよっ♪いずみくんはおりょうりがじょーずだねっ!』
ニコニコと笑いながらオムライスを頬張る湖姫は昔も今もその笑顔には変わりない、この後の問題としてはこの可愛い天使をどうするかだ。俺たちは普通に学校があるが、湖姫はこの姿じゃ普通に学校へ行くわけには行かない。かと言って、俺も休んで…というわけにもいかない。今日はユニットの練習もあるし…、でもこんな天使を留守番させてもしもの事があれば、俺は俺を処刑台にあげなければならない…
ここは、少し面倒だが湖姫をアイドル科へ連れていき、あの皇帝へ交渉を試みるしかない。
そう決めると、オムライスを食べた湖姫が食器を水道のもとへ持っていく姿を見ながら自分の食器も運び。俺はアイドル科の制服へと、湖姫は俺のブカブカの服を少しアレンジしてマシな格好にしてあげる。
さすがに今の湖姫の服は入らないし、かと言ってこのくらいの年齢だった湖姫の服があるとは思えない…。
『いずみくんっ!かみのけも!やってやって!』
泉「はいはい~、湖姫ちゃんは今日はどんな気分なのかな~♪」
『みつあみ!』
現在でも変わらない湖姫の髪の毛のセットは俺の仕事。16歳の湖姫は髪型を聞くと「お兄ちゃんが似合うと思うやつ」って言うけど、5歳の湖姫はいたって素直でやってほしい髪型を言ってくる。
片側をみつあみにして、それをカチューシャのように逆サイドへと持っていく。後ろの髪の毛も寝癖のようにならないように俺と同じ癖っ毛を整えてやる。
手鏡を持たせ、「どう?」と聞くとオムライスの時のように「はわわ」と喜ぶ。
満足したようなので、髪型を崩さないように頭を撫で、湖姫の手を取り、カバンと家の鍵を持って玄関へと向かう。
泉「湖姫ちゃん、お兄ちゃんと一緒に学校いってくれる?」
『いずみくんのがっこう?いく!いっしょにがっこういきたい!』
泉「うん♪じゃあ俺との約束、誰とどこに行くのか、何をするのか、ちゃんと俺に言ってからやること。知らない人には絶対についていかないこと。約束できる?」
『うん♪いずみくんとやくそく♪』
そういって俺と湖姫は小指を絡ませて少し上下にふる、そして手を繋いで玄関をでた
少し涼しくなった秋の初めに俺たち兄妹の不思議な生活が始まったのだった
天使はオムライスがお好き
「バイクは乗れないし、電車だねぇ…」
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