学院生活をもう一度
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私は驚いている。
先日、学院はこのGWを使っていたるとこを綺麗にする為に工事と称してユニット活動だけでなく、委員会や部活動などの活動を全面的にストップすると聞いていたのに、学院の門は普通に開いていた。
生徒が入っていく姿はないが、なんとなく人の気配はする。
学院の玄関までくると家から離されることのなかった手が離され、レオが靴を脱いで上履きへと履き替える。私もならって履き替えるが驚くことに下駄箱はちゃんと三年の時使っていた私の場所に私の名前が刻まれており、私のサイズの上履きが入っていた。おかしい…レオにならって行った行為だが違和感しか感じられない。
『あの…レオなんで…』
月永「何がだ?いつも通りだろ♪」
『いつも…通り…』
彼の言ういつも通りが、だんだんとわからなくなってくる。私の下駄箱の周りの名前は知らない名前だったし…本当ならば、私の靴が入っているこの場所も違う人の靴が入っている場所のはずだ。
唸る私を、誰かの手がポンっと乗せられる。
瀬名「ちょっと〜人の下駄箱の前で唸るのやめてくれる〜」
月永「おおー!セナだセナだ〜!うっちゅ〜☆」
瀬名「はいはい、おはよ。王さま」
『泉…?その格好…』
頭に乗った手の正体は瀬名泉だった。驚くべきことに、泉も私たちと同様に制服を身に纏っていた。そんな泉は、何言ってんのと言いながら下駄箱をあけ上履きに履き替える。その下駄箱にもしっかり「瀬名」と名前が刻まれていた。
だいたい、今の王さまは司くんだし、私も女王様ではない…。
泉は卒業してから昔のようにれおくんと呼ぶようになったはず、それなのに先ほど泉はレオのことを「王さま」と呼んだ。
瀬名「ほら、二人とも行かないと朝礼遅れちゃうよ〜」
月永「おお!そうだな、なまえ!いっくぞ〜♪」
泉を置いてレオは再び私の手をとって走り出す…なんだか、本当に高校三年生の頃に戻ったような錯覚を私はすでに起こしつつあった。
レオが走り出してから数分後、立ち止まったのは私のクラス3ーAの教室の前だった。
レオは私から手を離し、振り向くと私の目を見て話し出す。
月永「じゃあ、俺はここで!なまえは授業頑張れよっ♪」
『え…あぁ、うん。わかった…レオも頑張ってね』
月永「ん!じゃあな、頑張れのおまじない、っ♪」
『ヒェっ…』
おまじない、といったレオは私のおでこにキスを落として、返事も待たずに3ーBの方へは……むかわず、どこかへ去っていった。
学生の間、カップルとして過ごした時間が少なかったので、これが普通のカップルがすることなのかどうか、私にはよくわからない。だけど、私にはあまりに刺激的で制服を着ているからなのかどこか背徳的な感覚がした。
そう思っていると、教室のドアが音を鳴らして開いたことに驚き、そちらを見やると蓮巳くんが真っ赤な顔で仁王立ちをしていた。もちろん、制服姿で…
蓮巳「お前たちは学校をなんだと思っているのだ。…月永はいつものことながら、みょうじ、お前まで付き合わされて全く…度し難い。」
『おはよ、蓮巳くん…えっとごめんね?制服のことについて聞いてもいい?』
蓮巳「何がだ、いつもの光景だろ、みょうじは音楽科だったからな、一ヶ月たった今でも制服になれない感覚があっても仕方ないだろう。」
『…あ…うん、わかった気がするや。そうだね、ありがとうなんでもない』
あの蓮巳くんまでそう言うのだから、私も受け入れなくてはいけない事なのだろう。あの真面目な蓮巳くんが真っ赤な顔して「なんでもない」と言うならきっとなんでもない。しかし蓮巳くんの顔は「なぜ俺はこんなことを」と言っている気がした。
そんな蓮巳くんが踵を返し席に戻っていくので私も自分の席に向かった。
教室は昔と同じように席が並んでおり、懐かしさを感じる。座っているのは数人というところだろうか…。
今までの発言からするに、4月の夢ノ咲学院ならば私の席は窓際最後尾、そして隣の席は
羽風「なまえちゃ〜ん、おはよ♪それと誕生日おめでとう♪」
『薫くんおはよ、そしてありがとう。相変わらず制服がお似合いね』
羽風「まぁね〜、俺はいつでもどんな服でも着こなしちゃうからね!」
そう言った薫くんはいつもの笑顔とみんなと同じ制服姿で、私に手を振っていた。
教室にいるのは、先ほど下駄箱で会った泉、注意してきた蓮巳くん、そして隣の席の薫くん、それと海外にいるはずの宗くん…
それから…
天祥院「やぁ♪なまえちゃん、お誕生日おめでとう…♪」
『天祥院くん…ありがとう…』
天祥院「あまり嬉しくなさそうだね?やっぱり、月永くんとお別れしちゃってさみしいかい?あんなに見せつけてくれるとは思わなかったよ」
『恥ずかしいから、そういうこと言うのは控えて…』
天祥院英智くん、アイドル家業だけでなく家の仕事にも追われる忙しい彼までもがこんな場所にいるのはおかしい…
天祥院「ふふふ、照れる君が見られるのは貴重な経験だねっ、でも嫌われてしまっては大変だ。控えることにしよう…♪」
そう言って彼は私より少し前の自分の席につく、あの頃の今の時期彼は入院していてその席に座ることが少なかったので少し、それも新鮮に感じていると、朝礼の時間を告げる鐘がなる。
すると、廊下からありえないスピードの足音がだんだんとこちらへと近づいてきて、ドアを豪快に開け放つ。
守沢「危なかった!!撮影がおして遅刻してしまうところだった!!!!」
三毛縞「いやぁ〜久しぶりに千秋さんと走り込んでしまった!体力はまだまだ現役だな☆」
そう言って開けられたドアの向こうにいたのは守沢千秋と、三毛縞斑だった。
ていうか、今千秋「撮影がおした」ってハッキリ言ったな…。きっと例の特撮の撮影のことだろうけど、今日の設定を壊す発言だったのだろう。席に着いた千秋は泉に頭を叩かれていた。
斑は席の近い宗くんと少し会話してから席に座った。
そのあと、3ーAの担任だった先生が教室へやってきて、今日のことについて話出した。
まず、今日は祝日ということもあり午前授業で四限まで行う、そのあとは各々で昼食をとってもらい、午後からは各自委員会やユニット活動に当ててもらってかまわない。
イベントは18時から開始なのでそれまでに参加ユニットは講堂に集合。
という一日の流れをご丁寧に説明してくれた。
私以外のみんなは知ってたという顔をしてる、隣の薫くんに関してはずっと私を見てニコニコしている。
つまり、この説明私の為に行われているもので今日学院にいる全員がこのドッキリの仕掛け人ということだろう…。
いったい、どうなるのだろうという不安を他所に外は晴々とした青空が広がっていた。
元教室について
『この壮大なドッキリは何の』
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