呼び慣れた名前を捨てて
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*なまえsaid
最近、仕事中に眠気が襲ってくる。
寝不足じゃないと言えば嘘になるが、かといって寝てないってほどでもない。
最近はレオがよく「一緒に寝よう」とちょうどいい時間になると誘ってくるので、私も仕事に区切りをつけて眠る。
若い頃に比べたら規則正しいにも程がある生活を送っているのだが、それでも眠気が止まない。
ひどい時はパソコンに頭突きをしてしまうし、部屋の中ならすぐ横になってしまう。仕事もままならないこともある。
でも眠いだけでどこかが悪いという感覚はなかった。
そんなある日、『Knights』の収録チェックをするためにスタジオに入ったら、案の定強すぎる眠気に襲われる。
まだスタッフさんばかりで、メンバーもいないしいいかなと思い近くのスタッフに断りを入れ壁際のソファーで少し横になった。
ものの数秒で眠気に従うように私の意識は堕ちてった。
ーーねぇ…女王様…ねぇ〜起きてってば
深い眠りの中でユサユサと体が揺れるのがわかった。聞き覚えのあるその声に、ゆっくりとまぶたを開ける。
目の前には見慣れた黒髪が真紅の瞳をこちらに向ける。霊感(インスピレーション)が湧きそうだ…
鳴上「珍しいわねェ、女王様が居眠りなんて」
凛月「珍しすぎて死んじゃったのかと思った」
鳴上「凛月ちゃん、縁起でもないこといわないの」
『あれ…みんなきたの…』
凛月「ん〜ん、俺とナッちゃんだけ。ス〜ちゃんは飲み物買いに行ってて、月ぴ〜とセッちゃんは仕事が押してるみたい」
『そっか…仕事しなきゃ…』
鳴上「体調悪いんじゃないの?大丈夫?」
ゆっくりと横にしていた体を持ち上げて座り直すと、ナルちゃんが私の隣に腰掛けて長足を組みこちらを見つめる。
私はボーッとする頭を振り払うように頭を横に振る。
『最近、どうも眠くて…寝不足ってわけじゃないんだけど、仕事とかままらない日もあるし運転も正直怖くてできないんだよね』
凛月「何それ、寝不足じゃなかったらそんなことならなくない?」
鳴上「他に何かないの?」
『う〜ん別に体調が悪い感じはないし、あぁ〜でも少し熱っぽいかな?でも微熱だからよくあることといえばそうだし』
鳴上「あら…他には?」
『ほか??う〜ん、眠気のせいかなぁ、体がだるい時もあるしひどい時は立ちくらみとかがあるかなぁ…低血圧とかなのかも』
凛月「それは病院行きなよ」
『えぇ…病院行くようなことではないと思うんだよね』
そう答えたら2人は顔を見合わせて深めのため息をついた。
するとナルちゃんが立ち上がってスタッフに話しかけにいった。どうやらこの話題は終わったのだと思い私も仕事をしようと立とうとした時前に膝をついてた凛月が隣に座り耳に口を寄せた。
凛月「あんたが行くのはーーー」
『はぁ⁉︎』
凛月が言ったことに驚きすぎて大きな声を上げて立ち上がった。私は「ごめんなさい…」といってまた凛月の隣に座り直す。
凛月「とにかく騙されたと思っていきな。」
『…ちがうし』
凛月「はぁ…月ぴ〜たちには黙っててあげるから今から行っておいで」
『凛月…』
凛月「なまえ…自分がそう思わなくても体は悲鳴をあげてるって気付きなよ。またいつかみたいに倒れられても困るんだよ」
『…はい…』
凛月「ん…いいこ」
凛月はおとなしくなった私の頭を撫でた。私は凛月とナルちゃんにお礼を言って自分の荷物をまとめた。
スタッフさんには別の仕事が入ったと伝えて、スタジオを後にした。まぁ仕事が入ることなんてよくあることだから怪しまれることはなく外に出ることになった。私は病院の予約をとって、ビルの外に止まっていたタクシーに乗り込み行き先を伝えた。
少し憂鬱な気持ちを抱えながら外の景色を眺めていた。
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