君を見つける
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思い立ったが吉日ーー。
言葉の意味としては、何かをしようと決意したならばそう思った日を吉日としてすぐに取りかかると良いということ。
つまり、行動するなら「しよう」と思った日にすべきというのが日本の昔からの教えなのである。
ーーだから、私は計画を実行する。
思い立ったのは単純な理由、『Knights』のライブを観客席から見たいという想い。あの日、彼にプロポーズされた時がおそらく初めて観客席から見た5人の『Knights』のライブだったと思う。…と言っても観客の入っていない私だけが見たステージで、今私が見たいのは『Knights』のファンが見ている『Knights』のステージだ。
『Knights』も事務所に所属して、ESビック3なんて言われるほどに人気なグループだ。そのチケットを入手するにはどんな手段を使えばいいのか…あのチケットの倍率は噂には某国立大に合格するほどの倍率だと聞く。
ふと思い立って「取れました〜」とはならないのだから悩ましい。とはいえ、基本『Knights』のライブツアーは春と秋にかたまりやすい。というのも、『Knights』は春生まれと秋生まれがいるのでイベントを混ぜ込んでツアーにすることでお祝いをできるというのが夢ノ咲にいる頃の『Knights』のライブの習わしなのだ。
そして、もうすぐ季節は『秋』だ。
『Knights』のライブシーズンにつき、年間を通してライブ回数が多い頃合いなのだ。迷わず日本にいる母に連絡しライブのチケット協力を依頼して、自分も『Knights』の公式ページを確認してチケット戦争に片足を突っ込んでしまった。
それから、数ヶ月ーー
思い立ったあの吉日から、それが叶うのは本日。まさかのチケットが当たってしまったのだ…。最初は「当たらないと思うけど、こっちにいる間に一回くらい行ってみたいな〜」くらいで思っていたのだが、当たってしまったのだ。ここでもしかしてこの一年の運を使い果たしてしまったかと思ったけれど、当たった分苦労しても後悔しないと思った。
当たったチケットをアプリに落としこみ、師匠にお休みをいただき日本へと帰る準備をした。
隣に住んでる泉もライブのあわせで日本に長期滞在中だ。つまり、私が日本に帰ることを誰も知らない。ましてやライブに行くことも…
もし『Knights』のみんながライブ中に私に気づいた時の驚いた顔が目に浮かんで「ぐへへ…」なんて気持ち悪い声が漏れる。にやける顔を抑え込んでキャリーバッグを片手に部屋を後にした
それから数日後。
私は『Knights』というグループを舐めていた。
身内だからと何かを勘違いしていたのだと思う。チケットが当たればそれなりに見える席が当たると思っていたのだけど、当たったのは2階席で…なおかつ、花道からの目線だと少し離れた位置にあたる場所だった。つまりステージから見れば多くの中の一つということになる。こんな場所ではいくら顔見知りとはいえわかるわけないだろう。
せっかくなので楽しもうと準備したペンライトと旦那の名前が書かれたうちわを片手にライブの開始を待った。
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