緊急月永家家族会議
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*瀬名said
なんで俺がここにいるのか、誰かに教えて欲しい…。
高校を卒業して数年経った。あの頃から『Knights』の活動も順調で全員が卒業した頃にはれおくんを王さまに据えて俺も活動拠点を日本に戻し、『Knights』が完全体となって人気も急上昇…まさにうなぎ登りだ。
そんな俺の前には月永夫妻が机を挟んで座っていた。れおくんは何故か顔を真っ赤にして少し悩んだ表情、なまえは体育座りに眉間に皺を寄せて丸まっている。
瀬名「あのさぁ…俺は暇じゃないんだけどぉ」
月永「なんでセナがいるの!家族会議なんだけど!」
瀬名「だから帰るってば」
『だって、なんか最近のレオ様子がおかしいから!ひとりで聞く勇気がなくって!だから泉が…泉は家族みたいなものだから!』
月永「セナが家族みたいなものってのは一理あるけど!だめっ!」
『やだっ!』
さっきからこの繰り返しだ。帰るといえば嫁が「やだ!」といい、旦那が「なんで!」と繰り返し俺はどうすればいいのかわからない。多分れおくんは俺に聞いてほしくない二人で話したい内容なのに、その内容が不安でなまえは俺と一緒じゃないと聞かないと駄駄を捏ねる。
瀬名「じゃあなるくんとかにすれば?俺を巻き込まないでほしいんだけどぉ」
『じゃあみんな呼んで!『Knights』会議にしよう⁉︎』
月永「だからぁ!ふたりで話したいって言ってるだろ⁉︎」
『なんの話なの…』
月永「セナがいるから…」
『……じゃあ聞かない』
月永「もうっ!なんで〜!」
こいつらは二十歳過ぎても子供のようにジタバタと…。これでも『Knights』の誇る王さまと女王様なのに、誰がそれを信じるんだ。……でもれおくんが話したい内容ってなんだろ。俺に聞かれたくないこと、なまえと真剣に二人で話したいこと…。と頭を巡らせていると先日の『Knights』食事会でのことが頭をよぎる。
瀬名「もしかして、子供の話したいの?れおくん」
月永「なっっ……」
『こども…?』
瀬名「そう、この間の食事会で王さまと女王様のこd…」
月永「うわああああああ!うるさい!セナのばかばか!」
『…?』
どうやら、俺の予想通りだったみたいでれおくんがおれに飛びかかる。俺は椅子に沈み込む、話の内容を察したなまえが真っ赤になってまた蹲る。
『みんなでそんな話…だから男の子って嫌い…下ネタばっか…』
月永「違うんだ!違わないけど違う!そんな下ネタ話してたわけでは…っ!」
俺たちもアイドルとはいえ、普通の男ということには変わりないわけでそこそこ下ネタも話せば下世話な話もする。けど、なまえがここまで下ネタを嫌う人種だったとはこの長い付き合いで初めて知った。だから、れおくんはあまりそういう話をしたくなかったのかと頭のどこかで理解する。
『…ずっとそんなことでモヤモヤしてたの…?』
月永「そんなこと…?」
瀬名「あ〜あ…」
『だって……』
なまえにとってはそんなことでも、れおくんにとっては大事なことなわけでれおくんからピキっという音が鳴った気がした。あくまで気がしただけだけど…
俺は荷物をまとめて帰り支度を始める。きっとあとは二人の問題だから邪魔者は退散しよう。
瀬名「ちゃんと話し合いしなよぉ〜、仕事に私情挟まないようにね」
『まって!泉!一人にしないで!』
月永「じゃあな〜、また明日!」
そういって、俺は月永家を後にした。きっと、あの二人のことだからちゃんと話し合って答えを出せるに違いない。俺にできることなんて対してないからここは帰るのが正解。
あ〜楽しみだなぁ。ふたりの子供はきっと可愛いだろうねぇ…モデルの英才教育をしてトップモデルにするのも悪くないし、ふたりの子供なら作曲や作詞の才能もあるんだろうねぇ…♪
*なまえsaid
中学の時から、男女が一緒にいるのがおかしいと周りに言われるようになる。下世話な話が蔓延って、私の世界を汚す。それがどうしても好きになれなくて下ネタという分野がどうも聞き入れられない。
女の子特有のリアリティのある毒々しい下ネタも男の子特有の浅ましくて頭の悪そうな下ネタも…私にとっては不要な存在で忌み嫌う存在だ。
そんなものとは無関係だと思っていた幼馴染も所詮は男の子ってことだろう…
月永「なぁ…そろそろ顔上げてくれよ」
『やだ…レオと今話したくない…』
別に、それがダメって言ってるわけじゃない。私がただ嫌いってだけで、私にそれを持ってこなければ別にどこで何を話そうと彼の自由だ。でも、仲のいい『Knights』でそんな事実があったことを少し受け入れられないでいる。
月永「お前がそういう話嫌いってわかってるから、話せなかったんだよ…」
『やだ、聞きたくない』
月永「子供嫌い?」
『子供は好きだけどぉ…もう!この話やだ!』
私は立ち上がってリビングからベッドルームに逃げ込む。わかってる、私が幼稚なことは…
今更純粋ぶるなって思う人もいるだろうけど…。私は正直キスだけでも限界なんだ、それ以上なんて目をつぶってたら終わってる…。いや、それって夫婦としてまずい…?いくら理解ある夫でも全てを任せっきりなんて…もしかしていつか飽きられるのでは…?
でも、下ネタは私の敵だ…。それは事実だから…もうダメだ。頭が混乱してきた、私はベッドに沈み込んで丸まった。
すると、ベッドルームのドアが開く音が聞こえて、ベッドがギシっと鳴く。
月永「ごめん、もうこの話はしないから顔みせて」
『…今反省してるからほっといて』
月永「やだ、なまえの顔が見たい」
『……レオそうやって甘やかそうとする…』
レオの甘い声に負けて丸まっていた体を起こして、レオの顔見る。大人っぽい顔をした彼が私の顔を見つめた。顔を見れて安心したのかギュッと私を抱き寄せ、安心させるように背中を叩く。私も彼の背中に手を回し肩に顔を押し付ける。
月永「ごめんな、嫌な話だったよな?もう…しないようにするから」
『…ううん、私が気にしすぎた…ごめん』
月永「じゃあ少しだけ聞いて?
おれ、なまえとの子供が欲しい。お前そんなことっていうかもしれないけど…おれからしたら宝物なんだよ。お前とおれとの間にできた子供なんて絶対に可愛いって思わない?」
『思うけど…でもみんなに話すことじゃ…』
月永「それはお前がそういう話苦手だから…」
『友達にそういう話される方がもっとやだ……
でも、レオとの子供は…見たい…かな…かっこいい男の子がいいかな?作曲もできて、人のことを大切に思える子がいいな』
月永「…!」
『それで大切な女の子のことを精一杯考えて、思いやれる子』
月永「おれは、女の子がいい。いつもまっすぐで人を愛してて自分より誰かのために動ける子。作詞が得意で、舞台も作れて……好きなことを好きって大声で言える可愛い子がいいな」
『…あははっ☆どっちも素敵…♪』
私は抱きしめていた腕を彼の首に回して彼の顔を見る。彼は嬉しそうに笑って、唇を重ねた。
月永「最初から、お前に正直話してればよかったな」
『うん、今度はちゃんと話て?私もちゃんと向き合うから…それとそんなことっていってごめんなさい』
月永「ううん、おれこそ…ごめんね」
『いいよ』
月永「大好き」
『私もだよ』
どちらともなく口づけをしてベッドに沈んだ。
子作りなんて私たち夫婦には程遠い話かと思っていたけど、彼はずっと考えてたんだと思うとなんか可愛いじゃないか、それに私のことを思って黙っててくれたならそれもまた愛らしい。
…何より貴方との子供ならきっと男の子でも女の子でも宝物のように可愛いのだろう。
緊急月永家家族会議
『自分が妊活する日が来るとはな…』
end