番外編
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Knightsには作曲家が2人いる。それも天才と呼ばれる部類のーーーー。
しかし、天才となんとかは紙一重という言葉を体現しているような2人であった。そんな片方のお話。
=セナハウス=
レッスン前の準備運動をするKnightsメンバーとそれを横目に五線譜の書かれた紙を周囲に広げている、なまえ。
そこにいる誰もその行為を咎めないのは、日常茶飯事な光景だからなのだが、準備運動が終われば、そうもいかない…メンバーは立ち上がりなまえの元によっていく。
瀬名「女王様~レッスン始めたいんだど~」
『まって、話しかけないで今いいとこ』
鳴上「あらあら、集中タイムみたいねェ…先に曲の準備でもしようかしら」
凛月「じゃあ終わるまで少し休憩~♪」
朱桜「あぁ!凛月先輩!お姉様の膝枕なんて…!うら…いえ、邪魔になりますよ!」
凛月「大丈夫~…集中してる時は気にしないから♪」
凛月はなまえの膝に頭を乗せ、嵐は曲の準備をしに機材の前に座り込む。
泉はパイプ椅子に座りなまえを眺める。この光景に1番慣れていない司は凛月を咎めつつも近くでその様子を見守る
数分後ーーー、
楽譜を書き続けたなまえがペンと紙から手を離し、立ち上がる。なまえの膝の上で眠っていた凛月がゴンっと音を立てて、床に頭を打ちつける。
凛月「ん"ん"…うぅ~…」
『できた~!"新入りが口うるさい歌"~!』
泉「…ブフッ」
朱桜「…な!?…なんですか…その歌は…」
凛月「相変わらず、曲名センス皆無だね~…」
うった頭を撫でながら凛月が起き上がる。笑っていた泉がゆっくり立ち上がりなまえの散らかした楽譜を回収していく。
『曲名センスがないとか…なんでそんなこと言うかなぁ~発表してなければ、改変可能だからいいの~』
鳴上「そうそう、あたしなんて初めてもらったのは"綺麗な鳴上くん"だったのよォ?綺麗は嬉しいけど、呼び方がすごい他人行儀よねェ…」
『…んぶ…』
凛月「俺は…ん~"朔間さんの弟"とか"ずっと寝てる兄弟"とかだったかなぁ…あの時は兄者のイメージの方が大きかったしねぇ…ムカつくけど」
『…んん』
瀬名「なまえは前からそうだよ。王さまも大概だけど、こいつもセンスは皆無。曲も詞もいいのにねぇ…」
『曲自体がよければいいんだ…!曲名とか泉が決めるのが当たり前になってるし!』
鳴上「泉ちゃんは?初めての曲名なんだったの?」
瀬名「俺?俺は…」
『あわわ…泉…言わないで…』
瀬名「"瀬名くんの歌声が綺麗なうた"」
『あがががっがs…』
なまえは口元を隠し恥ずかしさのあまりガタガタと震える。
メンバーは微笑ましくそれを見る。なまえの曲名は基本思ったままの曲名をつける癖がある。誰かが階段を上がる歌、噴水の水が跳ねる歌…何においてもそうだった。
あまりのダサさに、泉が歌詞からとったり、他から言葉を選ぶことで発表できる曲名にしていく…というのが常であった。
なまえは恥ずかしさのあまりドアへと向かい外へ出ようとするのを嵐が止める
『離してナルちゃん!恥ずかしい!恥ずか死ぬとはこのことだ!ピアノ弾いてくる!』
鳴上「ダメよォ~レッスンだって言ってるでしょォ~」
瀬名「それにここキーボードあるし、弾いてあげればぁ?"新入りが口うるさい歌"」
『それ以上に私は恥ずかしい!!素直な自分が恥ずかしい!』
鳴上「あらァ!素直なのはいいことよ♪」
そう言って嵐が慰めるが、なまえの耳には届かない。すると、眠そうにしてた凛月がキーボードの電源をつけて泉が察したように集めた楽譜を譜面台に置く。流れるメロディーはメンバーの心を惹き付ける
朱桜「素敵な…曲ですね…」
鳴上「そうねェ…、口うるさいのにどこか可愛げがあって、司ちゃんらしい曲だわァ~」
瀬名「だから言ったでしょぉ~?センスがないのは曲名だけだって~」
『なんで弾くの!?珍しいチームプレイに感動と悲しみを感じるよ…』
それでも弾くのをやめない凛月になまえは歩み寄り、自分も弾き始める…。たまに「ここはやっぱり…」,「ここは勢いよく!」とどんどん自分の作った曲にのめり込んでいく。弾き終わった頃には司が輝いた目でなまえのことを見ていた
朱桜「さすがお姉様!素晴らしい曲に素晴らしい演奏でした♪Marvelous♪」
『曲名は泉につけてもらって…センス皆無だから…』
朱桜「いえ♪このまま頂戴します!お姉様が司のことを思って書いてくださった、それだけで私は満足です♪」
『司く~ん…!!よしよし、してあげるね!こっちにおいで!』
飛びつこうとするなまえの首根っこを泉が掴むと、なまえは「ぐえっ」とカエルが潰れたような声を漏らす。
瀬名「だ~か~ら~、レッスン始めるって言ってんでしょぉ??あんた耳ついてんのぉ?」
『先輩と後輩の楽しい時間を邪魔するなんて、さては嫉妬だな泉…泉のこともあとでいっぱい撫でてあげるから離して!』
凛月「女王さまぁ~俺も俺も♪」
鳴上「じゃあ、あたしも便乗しちゃおうかしら♪」
瀬名「はぁ!?いらないし!早くレッスンの準備しなよ!」
そういうと泉はなまえを引きずって、先程まで彼が座っていたパイプ椅子に座らせる。
他のメンバーと動き始め、ようやく『Knights』の練習は始まるのだったーーーーーー、
女王陛下の曲名事情
『レッスン終わったら、みんなまとめて褒めてあげるよ!』
end.