学院生活をもう一度
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案の定ーーーーーー
というわけではないが、この2人が残ってしまった。
泉が前に出る。
瀬名「なまえ、誕生日おめでとう
言うことなんて、そんなないけどさぁ…他のメンバーがあんなに語って俺は何もないなんて可哀想だからねぇ…
あんたとの付き合いもそこそこ長いものになったけどさ、ほんとはいつも感謝してるよぉ。あの時だってあんたがいたから『Knights』を守り続けられた。どんな時も裏で俺以上に頑張ってたのはあんただよ、なまえ。本当に感謝してる。だからこれからも、精一杯『Knights』の為に尽くしなよぉ、女王様っ♪」
泉は『Knights』の功労者だ。一緒に戦った友達だ、どんな時も言い合いもしたし、喧嘩だってした。殴り合い…は流石にしなかったが、暴力的なことも一方的にした。それでも泉はいつも真っ直ぐ私を見て違うことは違う、正しいと思うことは頷いてくれた。
だから私もそれに応えられるようにいつも真っ直ぐ泉を見て意見を言うようになった。一緒に努力して一緒に戦った大切な戦友だ。
泉はいつもライブで見せる王子様の笑顔ではなく、子供のような笑顔ではけていった。あと、レオも一緒に…
『…え?まじか』
何もないのか。泣きそうになった涙が一瞬で引っ込んだ。一番祝ってほしい相手が何も言わずにはけたぞ。どうして…、
隣のあんずちゃんはなぜかあわあわとして私と舞台を交互にみる。
悲しさを通り越して、無感情になりそうで…礼をしたから終わりだろうと思い、席をたつと、あんずちゃんが裾を持って首がもげるのではないかと思うほどブンブンと横にふる…
だって…もうすぐ24時も近い…みんなこんな時間まで残って…大丈夫なのか。
そう思いながら暗がりの中周りを見渡し、あんずちゃんを再び見ようとした瞬間ーーー
Knights「貴方に逢えた奇跡がくれた〜♪
この瞬間に全て捧げよう〜♪」
『Knights』が再び歌い出す。衣装はなぜだかわからないけど結婚式のお祝いでやった特別衣装だ…。レオが白いタキシード、他のメンバーは紺色のスーツにイメージカラーのネクタイで崩し方も個性が出ていた。
曲は『Grateful allegiance』ーーーレオが1人で作った曲。
想いを伝える為に作った曲だといってた。この曲を聞いた泉の第一声が「作曲家のカップルってみんなこうなの?チョ〜うざぁい」って言ってたの思い出す。歌が聞こえて座ることもできず立ち尽くす。本当ならば座らなければ、観劇ルール、マナー。もうそんなのどうだっていい…何が言いたいの、レオーーー
ちゃんと言ってよ…
涙が頬を伝っていく…零れ落ちていくのも気にせずステージをずっと見つめていた。
月永「愛を込めて…♪」
その瞬間始まった時同様にレオと目があった気がした…ライブ特有の自分を見たって思いたいだけなのか、それとも本当に見えているのか…、
歌い終わった『Knights』は改めて一列になる。
するとレオがメンバーと少し話すと、司くんが舞台袖に小走りで向かい何かを取ってきてレオに渡す。レオはそれを受け取って笑うと泉が呆れたように笑って、レオの背中を押す。レオが舞台から降りて、私の方へと向かってくる。
通路を通り、私の目の前でとまると私とレオにスポットライトが当たる。するとレオがはじめて気づいたのか私の格好を見て顔を赤らめる。そのあとすぐに「可愛い…」といって真っ赤な顔で笑う
『へ…ありがと…え…なに…怖い…』
月永「なまえ!誕生日おめでとう!」
レオは目の前にいるにも関わらず大きな声でそう言うと後ろに隠した
赤いバラが五本纏まっている花束を私に差し出す、そしてバラ越しにレオがニッコリと笑う。
月永「生まれてきてくれてありがとう!俺と出会ってくれてありがとう!俺を好きになってくれてありがとう!俺と付き合ってくれてありがとう!
お前の全てに感謝してるし、お前の全てが愛おしい!
ほんとにほんとに大好きだ!」
『っぁ…ありがと…ぉ…』
盛大に言ってくるものだから恥ずかしくて熱くなった顔を下に向ける…すると段差があるものだから背伸びしたレオが私の頬を挟み、こちらを向かせる。泉が後ろで「れおくん」と一言声をかけるのが聞こえる
『や…やめて…恥ずかしい…んむっ』
月永「んっ…それと、結婚してくれてありがとう、それからおかえり21歳のなまえ」
『へ…どういう…』
いきなりキスされて戸惑っていると、講堂が一斉に明るくなりみんなの顔が見える。
遠目に見えた時計はてっぺんをさしており、シンデレラの魔法が解けたように、私の不思議な1日も終わったようだ。するとレオは私の手を引き、私は柵があるにも関わらず通路へと引っ張られる。同じくらいの身長のレオが私を軽々と持ち上げ、お姫様抱っこをしてステージへと向っていく。
ナルちゃんと凛月が引っ張りあげてくれてステージにあげられる。
見渡すとみんな制服だったはずなのにいつの間にかスーツのような服装に着替えてる人が大半だった。
司くんが花束を一度下げてくれ、泉が大きいケーキを運んできてくれた。そして、改めてみんなから「おめでとう」と言われて勢いよくケーキのロウソクを消す。
あんずちゃんがカメラを持ってきて『Knights』のみんなと写真を撮ってくれた。衣装のせいか結婚式の再来状態で面白く感じた。
月永「結婚式、身内しか見てないだろ?どっかの皇帝がさ、僕にも見せろってうるさかったんだよ。アイツだけに見せるくらいなら全員になまえは俺のって見せつけてやろうと思ってさ…!」
瀬名「でも、そんな綺麗な服着せてもらってると思ってなくて大照れしてたよねぇ〜レオくん♪」
鳴上「舞台上では本当に見えなくて驚いちゃったわァ♪」
凛月「ほんとほんと、スポット当たって見てた俺らも驚いちゃった」
司「はい、でもとてもお似合いです、お姉様♪」
『じゃあ驚いてるのは私だけじゃないのね…もう、疲れちゃったよ…驚きすぎて…』
今日一日驚いてばっかりだ。
制服まで着せられて、久しぶりの学校生活、学生としてのレッスンやライブ、驚きの連続でそれでも幸せな時間だった…。
月永「なまえ、今日一日どうだった?」
『楽しかったよ、ありがとうレオ♪』
すると、俺は何もしてないですっと言いたげにそっぽを向かれてしまった。面白くてクスクスと笑うと笑うなー!と抱きつかれてしまう、それをもう片方の隣にいた泉が2人分受け止めて「ちょっとぉ〜」と怒られてしまった。
すると、ナルちゃんがスプーンを持ってきて「ファーストバイトしましょっ♪」と言って差し出してきた。
もうファーストでもなんでもないけど、スプーンを受け取って自分の誕生日ケーキを少し大きめに切り取る
すると、泉とじゃれていたレオがぴょんぴょんっと近ずいてきてあーん、と口を開けるのでスプーンを差し出そうとすると横から腕を取られ違う方向へとスプーンが運ばれる。
凛月「ぱくりっ♪」
『凛月!?』
凛月「ん〜甘くて美味しいね♪疲れた体によく効く」
月永「リッツ〜〜!なんてことするんだ!」
鳴上「あらやだ!凛月ちゃんったら!」
そう言いながらナルちゃんはスプーンを奪い、もう一度スプーンにケーキを乗せて私に持たせる…そしてそのまま自分の口へとスプーンを運ぶ。
『ナルちゃん…なんでそうなったの…』
鳴上「だって、凛月ちゃんだけズルいわぁ♪」
朱桜「なっ!2人ともズルいです!お姉様、司にもお姉様からケーキをいただけないでしょうか…」
そう言うと、ウルウルとした瞳で司くんがこちらを見る。もう、ヤケだ!と思い、ケーキを切り取り司くんに差し出す
『司くん、あー』
朱桜「っん!ん〜〜美味しいです!」
月永「お前ら〜!俺を忘れるな!ああーー!!」
満足げに笑う司くんの肩を掴み。前後に揺らすレオ。
すると、今まで見てるだけだった泉が目の前にやってくる。そして、嫌な時にする満面の笑みでこちらを見ている。
『泉、まさかとは思うけど』
瀬名「なぁに?俺だけダメなの〜?」
『いやダメっていうか、太るよ?こんな時間にケーキなんて…』
瀬名「一口くらいで太ったりするほどヤワじゃないしぃ〜」
『ん〜〜罪悪感ある。』
瀬名「は〜?俺にするのは嫌なの〜?」
月永「嫌だ!ダメだダメだ!セナにケーキもなまえもやらん!」
瀬名「別になまえはいらないけど」
『それはそれで傷つくんだけど』
レオが泉の胸板をポカポカと叩いている間に、ケーキを気持ち小さめにとってレオ越しに泉に差し出すと、気を遣ったのがわかったのか笑いながらケーキを口に含むと、目の前で見たレオが「あああーーー!」と大きな声を上げる。
そして、こちらを振り向いて文句を言うレオに大きめに切り取ったケーキを押し込み口端についた生クリームにキスを落とすと、レオは一瞬うっっとなってから赤い顔で「もう…」と小さく怒った。
フィナーレ
『レオ、私こそ出会ってくれてありがとう』
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