学院生活をもう一度
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すでに時刻は夜8時を回っていた。第2部が始まると、懐かしい面々が私の曲を私の為だけに歌いにきてくれた。それだけで嬉しいのに、みんなは必ず祝いと感謝を口にする。
客席にいる私の声は届かないからただただ笑顔で頷いていく。
音楽が好きでよかった。
作曲が好きでよかった。
夢ノ咲学院に来てよかった。
みんなに曲がかけてよかったーーーーー。
そんなことを考えてると、また懐かしい曲がかかる…
『Valkyrie』とナズ…
懐かしい衣装だが、少し修正が加わっている気がする…きっと宗くんの仕業だ。
聖少年遊戯……ナズがまだ高音が完璧に出せた時の曲で、私が最初で最後の『Valkyrie』に書いた曲…
ナズが『Valkyrie』をやめてから、私は『Valkyrie』の曲が書けなくなってしまった。宗くんに「もうやめろ」と言われてしまったから…
いつぶりだろ、3人のこの完璧な舞台を見たのは…もう永遠に見ることはできないと思っていた。
1曲歌い終わるとナズが話し出す
仁兎「なまえちん、ずっと言えなかったんだけど俺のせいで『Valkyrie』の曲を書けなくなった。って聞いて…ずっとずっと謝りたかったんだ。ごめんな…」
影片「ちゃうねん!あれは…」
斎宮「僕から言おう…あの時をきっかけになまえの書く曲は仁兎がいないと出ない音が含まれていた。だから、歌えなかったんだ。全ていい曲だった…だから完璧に歌えない曲を歌うのは僕の流儀に反したから、お前に作曲の依頼をするのを辞めたんだ…」
『そんな…ずっとクビになったと…』
影片「お師さんも俺もなまえ姉の曲大好きや!だからこそお師さんはなまえ姉に無理をさせまいと…」
仁兎「3人の『Valkyrie』がなまえちんは大好きだったもんなっ、だからずっとごめんなさいって伝えたかった。」
『旧Valkyrie』がシュンとした感じになってしまったなかで私はステージに届く声で思いを口にする
『もちろん、3人の『Valkyrie』が大好きだっっっっ!
けど今の『Valkyrie』もナズがいる『Ra*bits』も大好き!!だから、私こそごめんなさい!もう『旧Valkyrie』の曲は書けない!だから…だから今度は!
ちゃんとーーー
『Valkyrie』のためだけの曲と『Ra*bits』のためだけの曲を書き上げるから!!!』
斎宮「っふ…当然だ。半端なものを出したら容赦はしないのだよ」
影片「なまえ姉の曲楽しみや!!」
仁兎「『Ra*bits』の曲楽しみにしてるぞっ♪」
旧Valkyrie「お誕生日おめでとう、なまえ」
そういって舞台から去っていく『Valkyrie』
もうそのステージからおりればきっと3人は『旧Valkyrie』ではなく『Valkyrie』と『Ra*bits』の仁兎なずなになるんだね。ありがとう…大好きな『Valkyrie』。
これからもよろしく、という思いを込めて拍手を送った。
次に始まったのは、また過去の産物だ
『『デッドマンズ』も、解散したんじゃないの…もうサプライズ好きなおじいちゃんだなぁ…』
先程とは違い激しいロック調が流れ始める。
そこには朔間さんと晃牙と蓮巳くんーーーいや、敬人がいた。
懐かしい衣装で激しい曲調に歌詞を乗せていく。
3人も久しぶりに歌うのか曲中のぎこちなさが、面白かったのにプロだからかすぐにあわせてくる。
歌い終わる頃には、あの頃と何ら変わらないパフォーマンスをしていた。
蓮巳「みょうじ、いや…なまえ 誕生日おめでとう。ここは俺だけ話させてくれ、お前には何かと当たりが強いところが多くあったと思う。だが、1年の時からお前は見ていて不安だ…。今は、守ってくれるやつがいるから言うこともさしてないが…
あの頃はずっと気にかけていた。今のお前は幸せ、だろうか?」
問いかける敬人にコクコクと頷くと、敬人の後ろにいた零さんも晃牙も微笑む。
蓮巳「なら、いい。2年の時のお前は目も当てられなかった。
まったくあまり心配はかけないでくれ、これからもお前は笑っていてほしい。それから、『紅月』の曲もたまには書いてほしい。」
大神「んだよ、寂しいだろ~って怒ればいいのによー」
零「そうじゃよ。蓮巳くんは恥ずかしがりじゃのぉ~♪」
蓮巳「やめろ。なまえ…誕生日おめでとう。またな」
言いたいことだけいって蓮巳くんは舞台を颯爽と去っていった。
本当に蓮巳くんは私のお母さんなのか、いつも心配してくれた。何かあるとムスッとした顔で「どうした」「何かあったのか」って声をかけてくれた。
私が敬人から蓮巳くんって呼ぶようになった理由も察して何も追求せずにいてくれた。
その優しさに今でも甘えてしまう自分がいた…はけた蓮巳くんに続いてこっちに手を振ってはけていく零さんとその背中を押して早くはけろと晃牙もはけていく。
それから、5色のライトに切り替わり登場したのは『流星隊』だった。
千秋の掛け声で
5人揃って「お誕生日おめでとう/ございます」と叫びその声を合図に曲がかかる。
返礼祭の時の曲だ。千秋が久しぶりに書いてくれと言われ千秋と試行錯誤しながら作った曲、感謝を込めて気持ちを100%ではなく120%…さらにいっぱい込めたい!!と千秋に叫ばれては浮かんだ詞が消える。それを繰り返したのはいい思い出だ。
大丈夫、伝わってるよ。
千秋の歌も『流星隊』の歌もーーーみんなの声が私にも周りのみんなにも届いてる。
あまり多くは関われなかったけど、『流星隊』のみんなは気づけば大きな背中をしている。そんな気がする…。
守沢「なまえーー!届いたか!俺の、俺たちの声は!」
高峯「なまえ先輩が誕生日だって聞いて、俺も精一杯歌いました…」
仙石「拙者達はこの1曲に全力を込めたでござるっ!」
南雲「まさに全力投球っスよ!」
深海「この『うた』をきくと、なまえのことをおもいだしちゃいます~、とっても『すてき』なうたです~」
守沢「ああ!なまえが俺たちにくれた最高の歌だ!本当にありがとう!そして改めてーーー」
流星隊「誕生日おめでとう/ございます !!!!」
『流星隊』は声を合わせてそういうと舞台から去っていった。
もう今日で私は涙が枯れてしまうのではないだろうか…こんなに祝われて明日が命日か…
って思いながら手を合わせていると隣にいるあんずちゃんがその手を抑えて首を左右にふる。
その必死さに苦笑いして小声で大丈夫だよ、というとあんずちゃんは笑い返してくれた。
羽風「なまえちゃん、よそ見なんて酷いなぁ♪」
零「お待たせ、なまえちゃんや。夜闇に誘ってやろう。」
晃牙「なまえさん、俺から目離すんじゃねぇぞ!」
乙狩「俺もなまえ先輩に見てもらえるよう、全力でパフォーマンスしよう」
あんずちゃんと笑いあっていたら、舞台上には魔物たちが集結していた。
ショコラフェスの時に作った曲とユニットモチーフにと作った代表曲だ…
どちらも作った時よりも断然いい。ユニットとしての団結力に関しては『UNDEAD』はあの頃とは全然違うからこそ、その変化は明らかだった…。
あの頃よりも多く重なる仲間同士の視線、こちらを見ると全員が「俺を見ろ」と言ってるかのように煽ってくる。
2曲終わるとリーダーの零さんが口を開ける
零「なまえちゃん、誰がよかったかえ?」
『…へ?』
羽風「誰のパフォーマンスが1番だったか教えて♪」
選べ、というような目で4人がこちらを見る…選べと言われてもみんな平等に見たし、みんなかっこよかった…
『選べないよ』
大神「俺を選べよなまえさん」
『みんなかっこよかった!』
羽風「やっぱり1番がいいなー」
『なんでそんな事言うの!!』
乙狩「1番に選ばれた人間がこのあとなまえ先輩に祝いの言葉を言える決まりだ」
『なにそれ』
零「そういうことじゃ♪さぁ我輩たちの誰が1番なまえちゃんの心をひいたか、教えておくれ…♪」
なんという賭け事を…祝いの言葉くらいみんな言ってくれてもいいと思うのだが…、大人しくじっとしている魔物たちはそうする気もないらしい…
長い付き合いのユニットの1つだ。みんな思い入れがあるメンバーだ…
でも…何か言いたげに見るから…いい子で"待て"できるようになったね。
『晃牙
大神晃牙が1番かっこよかったよ!!!』
そう叫ぶと晃牙はガッツポーズをしていた少しに前に出てこちらをもう一度見る。
大神「なまえさん!誕生日おめでとう!
初めて会った時からずっとあんたのこと尊敬してる!俺も『UNDEAD』のやつらもみんなあんたの曲が大好きだ!!
今日くらい口にしてぇと思って、たぶん他のやつらも思ってると思うけど
なまえさん!大好きだ!!!」
晃牙がそう言った瞬、照明が全て消えた。
先程のように一時休憩…とう言ったところだろう。
そして消えた瞬間レオの声が聞こえた気がした…。
第二部
「ああーーー!ワンコ、今人の嫁に!!がるるるるる」
「はいはい、今は嫁じゃなくて彼女ねー」
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