番外編
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※会話はほぼ無いです
※レオ出てきません
※ルカちゃんは作者の想像の生き物
18回目の彼の誕生日。
『あの日』以来彼の家の中には行っていないーー
なんだか会ってはいけない。そんな気がして目の前にある彼の家に近づくことすら気が引けてできなかった。彼の妹であるルカちゃんを通じてカードを一方的に送るだけの日々だった。
4月になり『Trickstar』が天祥院くん率いる『fine』を倒し学院に変革が起きた今…許しを乞うかのように、私は彼の家の前にたっている。
彼がいるかどうかは不明だけど、それでもせっかくの誕生日だ。何か渡したい…、だって10何年も渡し続けたプレゼントを今年は渡さない。なんて不思議な気持ちもあったから…、誰かに言い訳をしつつ彼の家のチャイムをならす。
ガチャりと音をたてて開いた扉から出てきたのは、彼の最愛の妹だ。
ルカ「あ…おねえちゃん…」
『ルカちゃん久しぶり♪上がってってもいい?』
ルカ「うん!でもお兄ちゃんは…」
『居ても居なくてもいいよ、言いたいこと言って帰るから』
ルカ「う…うん」
そう言って、慣れた手順で家に上がって2階のレオの部屋の前に行く。小さい頃から変わらないレオの部屋の前、ドアを軽くノックすると特に返事はなかったので、ドアの前で話し出す。
『…レオ、お誕生日おめでとう。久しぶりに家に入ったけど、変わってなくて安心した…レオも元気かな…?
会えなくて、寂しいけど…学院は今革命が起こって変わろうとしてるよ。またレオが音楽を作れるような学院になったら…戻ってきてほしい…いつか…
それまで私も頑張るね…いっぱい名曲を作ってレオを驚かせてみせるね…
その時はまた作曲で勝負しようよ…またレオの曲聞きたいな…
なんて…ワガママかな…
とりあえず、私はいつでも待ってるよ。レオのこと…待ってるから…
じゃあプレゼント置いてくね。物をあげると大変だから…花束にしたんだ…いらなかったら、置いたままにしておいてくれれば、ルカちゃんが回収してお家に飾るようにお願いしとくから…
紫のアネモネとハハコグサって花なんだ…良かったら受け取って、扉の前に置いとくから…じゃあお邪魔しました。』
私は一方的に話すと、レオの部屋の前に花束を置いて階段の方へと歩いていく。すると、扉が開く音がして、すかさず振り向くと扉の前に置いた花束は無くなっていて1枚の紙が置かれていた。
駆け寄り紙を確認する。そこには「プレゼントあげられなくてごめん」という言葉とともに五線譜が刻まれていた…
なんの曲だろう…と楽譜を目で追うと、五線譜の最後に『Angraecum』と書いてあった。
久しぶりに見る彼の文字に、懐かしさと愛おしさを感じて薄い紙1枚を抱きしめる…
『いるなら…返事しなよ…もう…また…またくるね。レオ…』
階段をおりると、ルカちゃんがあわあわとして駆け寄ってくる。大丈夫、と返すとハンカチを渡してくれる。洗って返すねと言いつつ頭を撫でると「また来てくれるの!?」と喜ばれてしまう…
レオに会っていない分、ルカちゃんにも会えていなかったからこんなに喜んで貰えると思わなかった。
『また会いに来るよ…今度は一緒にお出かけでもしよっか、ルカちゃん』
ルカ「うん!おねえちゃんと一緒に遊ぶの楽しみにしてるね♪」
『また連絡するね♪作詞もこんど一緒にしよっ』
ルカ「うん!約束♪絶対!絶対だよ」
ルカちゃんは小指を絡ませてブンブンと上下させた。妹のように可愛がっているルカちゃんがこんなに喜んでくれて幸せ者だなと思うのだが、とても勢いが良くて小指が痺れた。
苦笑いして大丈夫大丈夫と言うと、ぎゅっと抱きしめられた。
『ルカちゃんは本当に甘えん坊だなぁ…』
ルカ「おねえちゃんだからだよっ♪じゃあまた!約束ね!」
『了解しました!』
最後まで念を押されながら、靴を履いて玄関を出ると正面にある我が家へと足を進めた。
レオがくれた紙を見ながらーーーー、
『 Angraecum ーーーーー
会えない君に花束を
『いつまでもあなたと一緒』』
end
※レオ出てきません
※ルカちゃんは作者の想像の生き物
18回目の彼の誕生日。
『あの日』以来彼の家の中には行っていないーー
なんだか会ってはいけない。そんな気がして目の前にある彼の家に近づくことすら気が引けてできなかった。彼の妹であるルカちゃんを通じてカードを一方的に送るだけの日々だった。
4月になり『Trickstar』が天祥院くん率いる『fine』を倒し学院に変革が起きた今…許しを乞うかのように、私は彼の家の前にたっている。
彼がいるかどうかは不明だけど、それでもせっかくの誕生日だ。何か渡したい…、だって10何年も渡し続けたプレゼントを今年は渡さない。なんて不思議な気持ちもあったから…、誰かに言い訳をしつつ彼の家のチャイムをならす。
ガチャりと音をたてて開いた扉から出てきたのは、彼の最愛の妹だ。
ルカ「あ…おねえちゃん…」
『ルカちゃん久しぶり♪上がってってもいい?』
ルカ「うん!でもお兄ちゃんは…」
『居ても居なくてもいいよ、言いたいこと言って帰るから』
ルカ「う…うん」
そう言って、慣れた手順で家に上がって2階のレオの部屋の前に行く。小さい頃から変わらないレオの部屋の前、ドアを軽くノックすると特に返事はなかったので、ドアの前で話し出す。
『…レオ、お誕生日おめでとう。久しぶりに家に入ったけど、変わってなくて安心した…レオも元気かな…?
会えなくて、寂しいけど…学院は今革命が起こって変わろうとしてるよ。またレオが音楽を作れるような学院になったら…戻ってきてほしい…いつか…
それまで私も頑張るね…いっぱい名曲を作ってレオを驚かせてみせるね…
その時はまた作曲で勝負しようよ…またレオの曲聞きたいな…
なんて…ワガママかな…
とりあえず、私はいつでも待ってるよ。レオのこと…待ってるから…
じゃあプレゼント置いてくね。物をあげると大変だから…花束にしたんだ…いらなかったら、置いたままにしておいてくれれば、ルカちゃんが回収してお家に飾るようにお願いしとくから…
紫のアネモネとハハコグサって花なんだ…良かったら受け取って、扉の前に置いとくから…じゃあお邪魔しました。』
私は一方的に話すと、レオの部屋の前に花束を置いて階段の方へと歩いていく。すると、扉が開く音がして、すかさず振り向くと扉の前に置いた花束は無くなっていて1枚の紙が置かれていた。
駆け寄り紙を確認する。そこには「プレゼントあげられなくてごめん」という言葉とともに五線譜が刻まれていた…
なんの曲だろう…と楽譜を目で追うと、五線譜の最後に『Angraecum』と書いてあった。
久しぶりに見る彼の文字に、懐かしさと愛おしさを感じて薄い紙1枚を抱きしめる…
『いるなら…返事しなよ…もう…また…またくるね。レオ…』
階段をおりると、ルカちゃんがあわあわとして駆け寄ってくる。大丈夫、と返すとハンカチを渡してくれる。洗って返すねと言いつつ頭を撫でると「また来てくれるの!?」と喜ばれてしまう…
レオに会っていない分、ルカちゃんにも会えていなかったからこんなに喜んで貰えると思わなかった。
『また会いに来るよ…今度は一緒にお出かけでもしよっか、ルカちゃん』
ルカ「うん!おねえちゃんと一緒に遊ぶの楽しみにしてるね♪」
『また連絡するね♪作詞もこんど一緒にしよっ』
ルカ「うん!約束♪絶対!絶対だよ」
ルカちゃんは小指を絡ませてブンブンと上下させた。妹のように可愛がっているルカちゃんがこんなに喜んでくれて幸せ者だなと思うのだが、とても勢いが良くて小指が痺れた。
苦笑いして大丈夫大丈夫と言うと、ぎゅっと抱きしめられた。
『ルカちゃんは本当に甘えん坊だなぁ…』
ルカ「おねえちゃんだからだよっ♪じゃあまた!約束ね!」
『了解しました!』
最後まで念を押されながら、靴を履いて玄関を出ると正面にある我が家へと足を進めた。
レオがくれた紙を見ながらーーーー、
『
会えない君に花束を
『いつまでもあなたと一緒』』
end