ロビフinTOS(SRメイン) 書きかけ
はるか昔。後に古代大戦と呼ばれる1000年にも及ぶ戦争が始まり、100年が経過した頃。
世界樹である大樹カーラーンが存在すると言われている森。その傍にある人間の住む村。大樹と大樹の精霊を崇め奉る信仰的な村の者が1人の戦争孤児を拾った。
口数減らしとして戦場に捨てられた少年は生き延びる為にはどんなことでもしないといけなかった。
そんな少年の存在は村にとって穢れであったが、見て見ぬふりをして見殺しにするのは村に伝わる教えに反する。
その為、村人は命を粗末にすることはしないが、少年を忌み子と嫌い、避けていた。
そんな村の環境は少年にとって苦でしかなかった。
森は神聖な場所だから絶対に入っては行けない。そう言われていたが、自分の心が落ち着く場所は森の中だと知っている少年は森に足を踏み入れる。
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しばらく歩き続け、足を止める。それほど奥に来たつもりではないが、少し空気が変わった気がする。大樹カーラーンが近くにあるかも。そう、思ってしまうほど綺麗で澄んだ空気。
少し不格好な樹の根元に腰かけ、身体を休める。
親は戦争に巻き込まれて死に、引き取られた親戚には口減らしの為に戦場に捨てられ、兵士には虫ケラを見るような目で見られ、村人は自分を忌み嫌う。
何故これほどまでに生にしがみつくのか。それは、大人しく相手の思う通りに死ぬのが嫌、ただそれだけの事だった。
ここで死んだら、このまま森と1つになれたらどれだけ楽なのだろうか。そう考えてしまう。
眠りについてしまいそうな心地の良さにボーッと意識を飛ばしそうになっていた時。
─珍しいな、こんな所にヒトが来るなんて
森に誰かの声が響き、意識がハッキリと覚醒する。
立ち上がり辺りを見渡すが誰もいない。視線を前に戻すと人影が立っていた。近付いてきた様子もない。突然現れたというのが正しい。
それは人の形をしているが腕や足に靄がかかっていてハッキリと見えない。人ではないことは確かだ。
「……あなたは、だれ?」
見た目は幽霊みたいなもの、でもそんな悲しいものとも、怖いものとも感じない。寧ろ、今まで出会ってきた人の誰よりも温かく、綺麗に感じる。
人影はオレをじっと見つめる。顔なんてものは見えないけど、視線を感じる。
─子供……か、何故ここにいる?
人影から聞こえてくる声は、自分の望んでいた返答ではなかった。けど、オレは素直に答える。
「村に居場所なんてないから 森に行ってはいけないって言われたけど、でも森が1番落ち着く」
─そうだな、俺も森が1番落ち着く場所だ
人影が少し微笑んだような気がした。表情なんて見えないけど。意思の疎通はできると見ていいみたいだ。
─お前、名前は?
「…………メイ」
得体の知れない存在の問いかけに大人しく答えていく。答える義理はないけど、そこら辺の大人よりは全然信用出来る。
─そうか。お前、村の子供だろ?少し俺の遊び相手になれ」
「遊び相手……?」
ひとつに括られた白髪の長い髪。白と黒で統一された衣服。赤く光る鋭い瞳。
自分よりひと回りくらい大きい少年に形をとった人影は、俺の頭を撫でる。
「俺は暇してんだ。大人しく精霊様の暇つぶし相手になれよ」
「…あ…、もう、帰らないと。遅くまで外にいると、何をしていたんだって言われる。オレは、穢れた子供だから。」
「そうか」
「…また、明日も来ていい?」
「ダメとでも言うと思ったか?」
「…! 村の人、皆オレには寄りたがらないから、嫌なのかもって……ありがとう。精霊、サマ?」
「ヒト一緒にすんな。……ラタトスクでいい」
「うん、ラタ…トクス?」
「ラ タ ト ス クだ、バカ」
「ラタトク…ラタツ………ラタ、トk…………」(Wω・`)
「……もうラタでいい」
「……ごめんなさい」
「謝って欲しいわけじゃねぇ、間違えられるよりはマシなだけだ」
「うん、わかった。 また明日、ラタ」
「あぁ、また明日な」
「メイ、村に帰りたくねぇなら、お前……守り人になるか?」
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