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卓の子SS

貴方は時間があるなら『お姫さま抱っこをしているリイエミ』をかいてみましょう。幸せにしてあげてください。
https://shindanmaker.com/524738

♦♢♦♢

「こ、今夜、飲みに、行きませんか!ふ、2人で!」
いつもリインさんに頭を撫でられて、これって子供扱いされてるんじゃ……と思った僕は“大人っぽいこと”を考えて、リインさんを居酒屋に誘った。少し驚いた様子だったけど、二つ返事で了承して貰えた。
お酒はちょっとしか飲んだことないけど、今まで酔ったことはないし、大丈夫だよね!

と思っていた時期が僕にもありました。
二人きりで飲みに来たことが嬉しかったのか恥ずかしかったのか、僕はがぶがぶお酒を飲んで、いつもよりペラペラと自分のことを喋って……………頭がほわほわする。
これは酔ってる。でもまあいいや、気分がいいし。

「エミル……大丈夫か?」
リインさんが心配して声を掛けてくれる。
そんな優しいところも大好きなんだぁ……
酔ってるけど元気ですー!と答えると、リインさんは優しい表情で僕の頭を撫でる。
あれ、今日の目標って子供扱いされないってことだったような……でもいいや!撫でられるの嬉しいから!ニャハハ!

「……そろそろ帰ろう」
そう言うと、僕を連れて店を出るリインさん。
やだな、まだ一緒にいたいな、家に来てくれないかな、なんてワガママな思考は、お酒のせいにしていいよね?
「送って……くれますよね?」
少し生意気になっちゃったかもしれない。でも優しいリインさんなら、僕の望んでる答えを返してくれるって知ってるから。
「最初からそのつもりだ」
微笑んで僕の頭を撫でてくれる。大好き!
ほら、ね?と思いつつもやった!という気持ちもちゃんとある。
嬉しくて、大人しく撫でられてると、唇に何かが触れる。それももう最近は慣れてきたもので、でもまだ恥ずかしいという気持ちが抜けない、キス。
でもね、今日は恥ずかしくなんかないんだ。嬉しい!大好き!って気持ちがいっぱいで、恥ずかしい気持ちなんて出番じゃないんだよ!
嬉しい表情が直せずにそのまま2人で僕の家に向かう。

僕の住んでるマンションは住宅街にあって、夜中になると人が通ることはそうそう無い。
外の風に当たれば、少しは酔いが覚めるかなって思ったけど、そんなことは無かった。それどころか、テンションはどんどん上がるし思考のワガママもヒートアップしていく。
「ぼくもうあるけない!おんぶして!」
だって、おんぶしてもらったら密着できるんだもん!ギューってできるんだもん!
マンションは目の前だというのに道端に座り込んで駄々をこね始める僕。周りに人がいないからできること。
「随分と酔ったみたいだな……」
と、僕の前に背を向けてしゃがむリインさん。
「ふぇ……?」
「してほしいんじゃないのか?」
「……おこらないの?」
「どこに怒る要素がある」
「わがまま」
「それくらい可愛いものだ」
僕の表情を表すのなら多分ぱぁーって効果音がついてたと思う。それくらいに嬉しくって勢いよくリインさんの背中にしがみつく。そしてギューッと抱きしめる。首が絞まらないようにちゃんと配慮して。
冬に近づいていく季節の空気はひんやりしていて、リインさんの暖かい背中が気持ちよくて。少しウトウトしちゃう。

最近、幼馴染のマルがお姫様に憧れてた気持ちが分かるような気がしてる。
それくらい、リインは、カッコよくて、優しい、僕の王子様なんだ。
男の僕がお姫様なんて似合わないだろうけど、リインのおひめさまになりたい。
なにかんがえてるんだろ、ぼく
でも、りいんは、ぼくのおうじさま、なんだから

ふと、暖かさが消えて、お尻とか背中に冷たいものが当たる。多分壁と床。
閉じていた目を開けて周りを確認すると、既にマンションの中、僕の部屋の前の廊下だった。
横では王子様……じゃなかった、リインさんが鍵を開けてから、こっちに戻ってくる。
「起きたか、エミル……冷たかったか」
「だいじょぶ!さっきまであったかかったはんどう!」
「そうか……動けるか?」
「むり!つれてって!」
「……わかった」
そう言うと、リインさんは壁に寄りかかって座ってた僕の膝の裏と背中に腕を回して、僕を持ち上げる。
え、まって、これ、あの、
「おひめさまだっこ……!」
「嫌だったか?」
「ううん!うれしい!」
大きく首を横に振ってから、首に腕を回す。

そのまま、僕の寝室に連れてかれて、ベッドに降ろされる。
ダメ、眠い、でも、まだいっしょに、いたい……

────

眠ってしまったか……
酔ったエミルは素直でわがままで子供っぽくて、とても可愛かった。
恐らく、エミルは思ってることまで口に出してることは気づいていない。それを伝えてしまえば顔を真っ赤にして隠れてしまうだろう。その姿も可愛いが、俺だけの秘密にしておくのも悪くは無いだろう?
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