蒼の使徒
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
午前八時に成ろうとした時、事務所の扉の前に立つ国木田さんの姿を見つける。いつもはもう少し早く出勤していたのだが、今日は少し寝坊して電車を一本遅らせてしまい、国木田さんの出勤時間と重なってしまったのだろう。国木田さんは分刻み…否、秒刻みで生きている。恐らく、時間より疾 く来てしまったため、事務所前で手帳を確認することにしたのだろう。…相変わらず気味の悪い程の几帳面ぶりだ。
「お早う御座います、国木田さん。」
「麟か…お早う。おっと、五秒遅れてしまった。入るぞ。」
そう云いつつ扉をガチャリと扉を開いた。
「ああ、国木田君、麟ちゃん、お早う!ねえ見給えよ!大変なんだ!」
なんと扉の向こうには太宰さんが居た。目は焦点が合ってないし、へらへらと嬉しそうに笑っている。挙句くねくねと変な動きで踊っている。なんだろう…本当に気持ち悪い…
「竟 に私はね、辿り着いたんだ!嗚呼、何と芳しき世界だろう!これが死後の世界、黄泉平坂!想像した通りだ、見給え!青煙地に這い、月光窓に砕け、西空に桃色 の象が舞い踊る!
うふふふふ、矢張り『完全自殺読本』は名著だなあ!裏の山道に生えてた茸を食するだけで、こんなにも楽しく愉快な自殺の道に逝けるなんて!素敵!うふふっ!」
へらへらと笑いながらまるで軟体動物の様に踊り狂っている。完全自殺読本…?慥か昨日国木田さんと太宰さんが宝飾品の窃盗犯の捕縛依頼を受けた後、太宰さんが大喜びで持ち帰ってきた本だ。稀覯本だったらしく、昨日から小躍りしていたが、その本が太宰さんの机 で開かれている。…茸…だろうか?本の横に齧られた茸が落ちており、その本の開かれた頁に描かれた茸とは少し色が違っている。
…詰る所、死ぬ茸と間違えて幻覚作用のある茸を食べてしまい、多幸 になってしまっている、と。却説 、如何したものか…
「ねえねえ国木田君、君もお出でよ黄泉の国!ご覧、酒は飲み放題、ご馳走食べ放題、美女の匂いは嗅ぎ放題!麟ちゃんもほら見てご覧よ!水色の蟹だ!並んで此方 に縦歩きで向かってきてる!」
大仰な動きで色んな所を指差しながら、歓声をあげる太宰さん。チラリと隣の国木田さんを覗き見ると、眼鏡の位置をカチャリと直しつつ、溜息を吐いている。どうやら同じように大体の状況を読み取った様だ。然し、無視することに決めたらしい。何時もと変わらぬ動きで自分の机に向かってしまった。
「…はぁ、国木田さん。出来れば太宰さん 何とか為 て貰えませんか?」
「朝から此奴に構って居たら、今日の業務に差し支える。そう思うなら麟、お前が対応すれば善い。」
「……出来れば触れたくもないです。動きが気持ち悪過ぎますよ…。事務員の私に事務所内での発砲許可が貰えるなら、無力化しますけど。」
私は右手を拳銃 の形にしつつ、目の前で電算筐体 の電源を入れて窓を開けている国木田さんに声を掛ける。
「うわっ!窓の外に巨大なイソギンチャクがいるよ国木田君!バナナを!バナナを食べている!周りの白いびらびらを丁寧に取り除いている!」
どんな世界観なんだ…?何故こんな奴に警戒しているのかと、いっそ莫迦々々 しくなってしまった。はぁと大きく溜息を吐いて被害が来る前にと太宰さんから少し距離を取る。国木田さんもそろそろ限界だろうし…
「そうか判ったぞ、脱ぐんだ!脱げば視聴率が稼げるんだ!簡単な事じゃあないか、脱ごう、 そして代わりに全身タイツを着よう!皆でタイツを着て銀行に行き、コサックダンスを踊るんだ!
声がする・・・・・・ううっ、私の、私の頭の中に、居るんだ!・・・小さいおっさんが!そして囁くんだ、京都に行けと、京都で一味違う本場の味噌田楽を食ってみ…」
「うらぁ!」
本当に見事な跳び廻し蹴りだった。流石福沢さんに鍛えられただけはあるようだ。太宰さんは壁まで吹っ飛んで目を回している。私はやれやれと首を振ってから、太宰さんの腕をむんずと掴んで、医務室のベッドに投げ込んでやった。
「おやおや、此処は休憩所じゃないンだよ?」
与謝野さんは困った様に嗤うが、どちらかというと悪戯っ子を見守る様な表情であまり咎める雰囲気は感じない。
「すみません。太宰さんが変な茸食べたせいなので、一応休養で使わせてあげてください。」
私はへらっと笑って受け流しながら医務室を後にしたのだった。
「お早う御座います、国木田さん。」
「麟か…お早う。おっと、五秒遅れてしまった。入るぞ。」
そう云いつつ扉をガチャリと扉を開いた。
「ああ、国木田君、麟ちゃん、お早う!ねえ見給えよ!大変なんだ!」
なんと扉の向こうには太宰さんが居た。目は焦点が合ってないし、へらへらと嬉しそうに笑っている。挙句くねくねと変な動きで踊っている。なんだろう…本当に気持ち悪い…
「
うふふふふ、矢張り『完全自殺読本』は名著だなあ!裏の山道に生えてた茸を食するだけで、こんなにも楽しく愉快な自殺の道に逝けるなんて!素敵!うふふっ!」
へらへらと笑いながらまるで軟体動物の様に踊り狂っている。完全自殺読本…?慥か昨日国木田さんと太宰さんが宝飾品の窃盗犯の捕縛依頼を受けた後、太宰さんが大喜びで持ち帰ってきた本だ。稀覯本だったらしく、昨日から小躍りしていたが、その本が太宰さんの
…詰る所、死ぬ茸と間違えて幻覚作用のある茸を食べてしまい、
「ねえねえ国木田君、君もお出でよ黄泉の国!ご覧、酒は飲み放題、ご馳走食べ放題、美女の匂いは嗅ぎ放題!麟ちゃんもほら見てご覧よ!水色の蟹だ!並んで
大仰な動きで色んな所を指差しながら、歓声をあげる太宰さん。チラリと隣の国木田さんを覗き見ると、眼鏡の位置をカチャリと直しつつ、溜息を吐いている。どうやら同じように大体の状況を読み取った様だ。然し、無視することに決めたらしい。何時もと変わらぬ動きで自分の机に向かってしまった。
「…はぁ、国木田さん。出来れば
「朝から此奴に構って居たら、今日の業務に差し支える。そう思うなら麟、お前が対応すれば善い。」
「……出来れば触れたくもないです。動きが気持ち悪過ぎますよ…。事務員の私に事務所内での発砲許可が貰えるなら、無力化しますけど。」
私は右手を
「うわっ!窓の外に巨大なイソギンチャクがいるよ国木田君!バナナを!バナナを食べている!周りの白いびらびらを丁寧に取り除いている!」
どんな世界観なんだ…?何故こんな奴に警戒しているのかと、いっそ
「そうか判ったぞ、脱ぐんだ!脱げば視聴率が稼げるんだ!簡単な事じゃあないか、脱ごう、 そして代わりに全身タイツを着よう!皆でタイツを着て銀行に行き、コサックダンスを踊るんだ!
声がする・・・・・・ううっ、私の、私の頭の中に、居るんだ!・・・小さいおっさんが!そして囁くんだ、京都に行けと、京都で一味違う本場の味噌田楽を食ってみ…」
「うらぁ!」
本当に見事な跳び廻し蹴りだった。流石福沢さんに鍛えられただけはあるようだ。太宰さんは壁まで吹っ飛んで目を回している。私はやれやれと首を振ってから、太宰さんの腕をむんずと掴んで、医務室のベッドに投げ込んでやった。
「おやおや、此処は休憩所じゃないンだよ?」
与謝野さんは困った様に嗤うが、どちらかというと悪戯っ子を見守る様な表情であまり咎める雰囲気は感じない。
「すみません。太宰さんが変な茸食べたせいなので、一応休養で使わせてあげてください。」
私はへらっと笑って受け流しながら医務室を後にしたのだった。
