蒼の使徒
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
案の定夕方帰還した国木田さんはどことなく窶れていた。隣の席でやる気なく椅子をクルクル回転させる太宰さんに怒声を浴びせつつ、鍵盤 を打鍵し報告書を作っているようだ。
「国木田さん、お疲れ様でした。胃薬用意してますが…要りますか?」
「…嗚呼、頼む。」
「…太宰さんも初任務お疲れ様でした。お陰様で此方の仕事は倍に増えましたよ。自殺は結構ですが、他の人に迷惑をかけずにお願いしますね。」
私は溢れ出る苛立ちを可能な限り押さえ込んで笑みを浮かべる。太宰さんは何故か嬉しそうに顔を上げて此方を見た。
「ふむぅ、慥かに他人に迷惑をかけるのはあまり善く無かったね。判った!明日からは国木田君や麟ちゃん以外には迷惑をかけないよう心掛けるよ!」
「貴様の頭に詰まってるのは馬糞か何かか!何故俺達に迷惑をかけることが貴様の中で問題なし判定になっとるんだ!」
「厭だなぁ、もう同僚なんだから謂わば同志じゃないか。他人だなんて水臭いじゃない。」
「お前の口で云われると同志と云う言葉が穢れる。」
目の前で云い合いを始める二人。一周回ってこんなのが相棒なんて云われたりするんだろうか。国木田さんに胃薬を置いたうえで二人の席に緑茶を置いてから、私は溜息を吐きつつ自分の机に戻る。自分の机でポチポチと消耗品の在庫確認と今月の経費状況を照らし合わせている時、
「麟ちゃんは何やってるの?」
「ひっ!?…急に後ろに立たないでください。」
「え…何今の反応。一寸 傷付いたよ私。」
思わず吃驚して声を上げる。振り返ると少し口を尖らせた太宰さんが立っていた。今のは仕方がないと思う。ただでさえ裏の仕事をしたことがある人特有の異質な空気を持ち合わせているのに、此方が集中していて気付き難いときに、気配を消して後ろに立たれたら恐怖以外の何物でもない。
「とてもそうは見えませんが…今日の報告書は終わったんですか?」
「勿論。後はセンパイが手直ししてくれるって。」
私の問いに対しにこやかに返す太宰さん。多分だけど体よく押し付けたな…
そっと背後の国木田さんの方を見ると只管 文字列を打ち込む音と鬼神のような気迫で液晶に照らされる国木田さんの姿があった。
…ご愁傷様です。
「そう云えばさ、探偵社 って異能者ばっかりの組織って聴いたんだけど、麟ちゃんも異能力あるの?」
首を傾げて此方を覗き込む太宰さん。この世界には異能力と呼ばれる超自然的な力が存在する。勿論、異能を持つ人間自体非常に稀有であるが、物理法則を無視した力を持つ人間は時として兵器と成る。国木田さんの持つ手帳の頁を記載した物に変換する能力、与謝野さんのどんな怪我も治療する能力、乱歩さんの事件の真相を見抜く能力…そして、この太宰さんはそんな異能を全て打ち消す能力。私は太宰さんの眼を確りと見据えて少し云い淀んでから答えた。
「…私は事務員枠で入社したので、異能者じゃありませんよ。偶々社長に拾って貰っただけです。太宰さんみたいに珍しい能力はありません。…如何して探偵社にいらしたのかは判りませんが、此処は異能力組織である前に人扶けの組織であることを肝に銘じてくださいね。」
ジッと太宰さんの眼を見つめたまま云いきる。何故ポートマフィアの人間が探偵社に来たのかは判らないが、此処で悪事を働く気なら容赦はしない。自分の居場所をまた奪われる訳にはいかないのだ。
「嗚呼、勿論。」
相変わらず本心の読めない笑みを浮かべて太宰さんは答えた。
「国木田さん、お疲れ様でした。胃薬用意してますが…要りますか?」
「…嗚呼、頼む。」
「…太宰さんも初任務お疲れ様でした。お陰様で此方の仕事は倍に増えましたよ。自殺は結構ですが、他の人に迷惑をかけずにお願いしますね。」
私は溢れ出る苛立ちを可能な限り押さえ込んで笑みを浮かべる。太宰さんは何故か嬉しそうに顔を上げて此方を見た。
「ふむぅ、慥かに他人に迷惑をかけるのはあまり善く無かったね。判った!明日からは国木田君や麟ちゃん以外には迷惑をかけないよう心掛けるよ!」
「貴様の頭に詰まってるのは馬糞か何かか!何故俺達に迷惑をかけることが貴様の中で問題なし判定になっとるんだ!」
「厭だなぁ、もう同僚なんだから謂わば同志じゃないか。他人だなんて水臭いじゃない。」
「お前の口で云われると同志と云う言葉が穢れる。」
目の前で云い合いを始める二人。一周回ってこんなのが相棒なんて云われたりするんだろうか。国木田さんに胃薬を置いたうえで二人の席に緑茶を置いてから、私は溜息を吐きつつ自分の机に戻る。自分の机でポチポチと消耗品の在庫確認と今月の経費状況を照らし合わせている時、
「麟ちゃんは何やってるの?」
「ひっ!?…急に後ろに立たないでください。」
「え…何今の反応。
思わず吃驚して声を上げる。振り返ると少し口を尖らせた太宰さんが立っていた。今のは仕方がないと思う。ただでさえ裏の仕事をしたことがある人特有の異質な空気を持ち合わせているのに、此方が集中していて気付き難いときに、気配を消して後ろに立たれたら恐怖以外の何物でもない。
「とてもそうは見えませんが…今日の報告書は終わったんですか?」
「勿論。後はセンパイが手直ししてくれるって。」
私の問いに対しにこやかに返す太宰さん。多分だけど体よく押し付けたな…
そっと背後の国木田さんの方を見ると
…ご愁傷様です。
「そう云えばさ、
首を傾げて此方を覗き込む太宰さん。この世界には異能力と呼ばれる超自然的な力が存在する。勿論、異能を持つ人間自体非常に稀有であるが、物理法則を無視した力を持つ人間は時として兵器と成る。国木田さんの持つ手帳の頁を記載した物に変換する能力、与謝野さんのどんな怪我も治療する能力、乱歩さんの事件の真相を見抜く能力…そして、この太宰さんはそんな異能を全て打ち消す能力。私は太宰さんの眼を確りと見据えて少し云い淀んでから答えた。
「…私は事務員枠で入社したので、異能者じゃありませんよ。偶々社長に拾って貰っただけです。太宰さんみたいに珍しい能力はありません。…如何して探偵社にいらしたのかは判りませんが、此処は異能力組織である前に人扶けの組織であることを肝に銘じてくださいね。」
ジッと太宰さんの眼を見つめたまま云いきる。何故ポートマフィアの人間が探偵社に来たのかは判らないが、此処で悪事を働く気なら容赦はしない。自分の居場所をまた奪われる訳にはいかないのだ。
「嗚呼、勿論。」
相変わらず本心の読めない笑みを浮かべて太宰さんは答えた。
