一縷

 ねえ、学はわたしより好みの女の子を見つけられた? わたしはあなた以上に素敵な顔立ちの男を見つけたの。嘆かわしいわ。その人に思い切って声を掛けたらよかったのかしら。わたしは、今でもその人を夢見るの。名前も知らない。あなたよりも綺麗な顔していて、まるであなたに運命を引き裂かれたみたいに悲しくなるの。高本学、その人よりも、かっこよくて美しくて、見目だけで惚れたあの男は、あなたに会わなければ、わたしのものになっていたかしら。
 どんなに時を巻き戻したとて、お前の願いが叶わないことなど、高本学、お前は知っていただろうか。お前の望みが高本学であるならば、それを捨てたお前に、残りは何ができるだろうか。高本学は、大層優れた容姿をお持ちだと聞きつけて、お前の顔に似合った女はこの女であろう。ららであろう。ララに違いない。そう思って過ごしてきたが、お前の顔に、ララがおびえた理由はなんだ。お前が望んだ答えを、ララから引き出せたのだろうか。ララの名前を呼んで、ララの顔を見て、お前が醜女を見えし人ならば、それはお前の心がひどくみにくいものと言えよう。お前が俺からララを奪い取りたいならば、お前はララの何を知るべきなのか。お前はただただ、ララの嫉妬よりも恐ろしい劣悪な憤怒を知りたればよい。
 わたしがあなたを愛していたら、わたしはあなたの望みのままの姿をしているのでしょうか。あなたが、わたしには教えてくれていたことを、わたしが他人に話したから、あなたはわたしをどう見えていたのか、本当によくわかりませんでした。
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