わざとらしく手を握って、 音が鳴るように唇をくっつけると、
恥ずかしがってるくせに握る手に力が入るのが愛らしい。 その
手を握り返して、 反対の手で首元を支えて舌を差し込むと、 遠
慮がちに服を握ってくるあかりがかわいくて仕方なかった。

「目とろとろじゃん」
「ぅ、だって…きもちいから」
「キスすんの気持ちいいの？」
「ぃ、わせないで……！」

かわいらしく怒るあかりに自分の口角が緩んでいくのに気づいたけど、実のところ今日は取り繕う余裕はあまりなくて、 そのままにしてしまった。 久しぶりなのだから、 仕方がない。


下の方から手を滑り込ませてホックを外す。 はいバンザイ、 なんてムードもへったくれもない言葉にあかりは抵抗なく言う通りにするから、 それがまた愛おしい。 怪しい壺とか勧められたら買ってしまいそうだし。 というか、 締めつけがなくなって片方の肩から落ちる紐のせいでちらちらと膨らみが見えていて何
もかもが良くない。


「新しいの買ったの？」
「うん……かわいい？」
「かわいい」
「リクも、 ぬいで」
「あかりが脱がせて」
「え〜………」


え〜、とは言いつつも、あかりの指は服の裾に伸びていて、 小さい子どもの着替えをするみたいに脱がすから髪があちこち変な方向に向いてしまって、それを見てあかりは楽しそうに笑っていた。


「ワイシャツだったらかっこいいまま脱がせられたのに」
「今はかっこよくないって？」
「かっこいいけど、かわいい」


自分で髪を整えようとする前に、 あかりの細い指先が髪に触れてパッパと適当に直される。 「どう？」と聞いてみれば、 にやにやしながら抱きついて「かっこいい」 なんて言ってくるから、愛おしく思ってる子にそんなこと言われれば男なんて簡単で


柔らかくて薄い唇に自分の唇を合わせて、 もれでる甘い声ごとかじりついた。 そのまま体勢を崩して、ベッドの上に寝かせると、もう期待したみたいに見つめられて頭がクラクラしそうになった。

甘く食んでただけだったのを、 息を整えるのに薄く開いたところに舌を差し込んで、 少し引っ込んだあかりの舌を絡めて、さっき外した下着を少しあげて、膨らみを撫でながらその先端に指先を這わせた。


「っ……ぁ♡」
「ふ、かわいい」


首筋やら鎖骨やら唇を落として、 胸元に唇を寄せると分かりやすく身体を揺らすあかりがかわいらしい、どうしようもないくらいに。こんなとこ誰にも見せないだろうという、胸の膨らみの上の方に痕をつけてみると 「だめ」 なんて、 今更の抵抗


「なんで、ここ見えないでしょ」
「そう、 だけど……わたしも、つけたい」
「いいよ、 おいで？」

好きなところにどうぞ、と腕を広げてみると、 上半身を起こしたあかりが俺の身体を少し押して胸元を撫でた。 唇を寄せて、自分がされたみたいにしてるみたいだけど、 その後顔を上げて「できない」と拗ねていた。 甘噛みするだけで付け方を知らないから、ずっとそのままでいいよと言う代わりに頭を撫でた。


「そのまま膝立てて？」
「うん……？」

あかりの履いてるショートパンツを下ろすと、 両端が紐で蝶蝶結びになっていて思わず一瞬手を止めてしまった。 服を脱がせた時から、新しい下着なのは分かっていたけど、こういうタイプのものは選んでなかったし、 初めてで


「これ、ほどいていいの？」
「……うん」


恥ずかしいのか抱きついてきたあかりを抱きしめ返して、そのまま左側の紐に手を伸ばしてゆっくりとほどいた。 あかりから離れて顔を見つめると、 耳を真っ赤にしていて、そんなに恥ずかしいのか……と思うものの、恥ずかしがってるあかりはいじらしいし、これはこれで、ありかもしれない。


「ちょっと足上げて」
「あし？」
「うん、 反対も」

ショートパンツを脱がせて、足を少し開かせる。 腰を支えながら胸元に唇を寄せて、もう片方の手で反対側の膨らみの先端を触れた。


片手を俺の肩において触れる度小さく声をもらすあかりを見あげる。 徐々に手を下に持っていくと、 ぴくりと小さく身体が震えた。 右側の紐もほどいて下着を取り除いて指を這わせる。 くちゅり、と音を立てたそこに恥ずかしいのか、肩においてあった手に力が入った。


「もうこんなに濡れてんの？えっちだね」
「ゃ、いわないで」

指先で撫でて、 溢れてくる蜜を絡めて、 そっと入口を撫でては「いい？」なんて聞けば、 何度か頷くあかりの中に指を入れる。いつもみたいに指を動かすと、 すぐに指を締めつけてきて、本人もそれに気づいているのか恥ずかしそうにしていた。


「ぁ♡気持ちいいっ……♡」
「もう二本も入ってるよ、 なかぐしょぐしょ、 気持ちいいね、
あかり」
「〜～っ♡」

あかりの反応を見つつ一点を押し上げると、 あっという間に達してしまったのか、 身体を震わせて肩にもたれかかるあかりを受け止めつつ、 一度指を抜いて腰を支えていた手で頭を撫でた。

「......りく」
「うん?」
「ちゅーしたい・・・・・・」
「んふ、いいよ」

随分とかわいらしいおねだりを断るわけがなく、 何度か唇を合わせて柔らかく食む。 薄目でキスに夢中になってるあかりを見ていると、ようやく目が合ったときいじらしく目をそらされてしまった。

好きな子をいじめたくなるというか、 ちょっかいをかけたくなるのと同じで、 もう一度唇を重ねている合間に指を這わせて入れると、なんで、 と言いたげに見つめられた。

またあかりの好きなところを押し上げていくと、さっきみたいに肩に顔を埋めてくるから、耳元でダイレクトに聞こえてくるあかりの甘い声に、 自分のそれが痛くなるのに気づいて、呆れるしかなかった。 男というのは本当に単純だ。

「まって……♡ おねが、ぃ、ぁ……♡」
「ん？どうしたの」
「これ、んっ、 やぁ ・・・・・・♡」
「なんでやなの？ 気持ちよくない？」
「きもち、 ぃ、 から、ぁ♡イ、く………♡♡」

荒くなっていた呼吸が一瞬止まったかと思えば、 震える声で不安そうに俺を呼ぶあかりが、 妙に色っぽくて堪らなかった。

どうして不安そうなのかは、手に伝ってシーツに落ちていく蜜みたいにとろっとしたものではなく、 さらさらとした水っぽいものが原因であって、 顔を埋めていたはずが首元に腕を巻き付けて抱きついてくるあかりを抱きしめた。

大きく息をするあかりの背中を撫でると、ようやく顔を見せてくれて、体勢的に仕方ないと思ったのかあかりからキスしてくれて、顔が見えなくなるのは考えものだけど、これはこれでありだな……なんて思ってしまった。

「落ち着いてきた？」
「ん…… きもちいの、 逃がせなくてこわかった」
「ごめんごめん、許してよ、ね？俺がいじわるしちゃった」
「うん………」


かわいがるみたいに頬を撫でて、つついてみれば唇をとがらせながらも機嫌を治してくれたみたいで、 そのままキスしてみれば今度は嬉しそうな顔をするから、 胸が痛くなるくらいかわいらしく思ってしまって、 相当だなと笑うしかなかった。

あかりと同じようにスウェットを脱いで膜を被せる。 胡座をかいてあかりを跨がせると「このままするの？」 なんて聞い
てきたから 「やだ？いつものがいい？」 と聞き返すと、ゆるく首を横に振られた。

「腰おろせる？」
「んっ…♡」
「手、 肩置いていいよ」
「ぁ……♡おく、〜～♡♡」

両肩に手を置いて、少しずつキツい中の奥に進めていくあかりの腰に手を添えながらも、 まだ入れただけなのに圧迫してくる中に顔を歪めた。


自分の体重がかかって深く入るからか、 腰を下ろしきるとすぐに抱きついてきて、背中に腕を回してやると、それだけでぴくりと肩を跳ねさせていた。


「ぅ、ぁ、〜〜♡きもちい……♡
」
「なかキツ･･･ チャギヤ、こっち向いて?」
「ん……？っ♡ぁ、んっ………♡♡」

下から突き上げて、こっちを向いてくれたあかりにキスをして、なんてしていると、 一番いいところに当たったのか、びくりと身体をはねさせたと思えばまた顔が見えなくなってしまって。

距離も近いし、深くまで入るからいいけど、今日はとくにあかりのかわいい顔を見たくて、 あかりを抱えて背中をシーツに付けた。

抜けてしまったところから奥までもう一度入れると背中をしならせているあかりに覆い被さって唇を重ねた。

「んぁ…♡ぁ、きもちぃ♡♡りく、 すき…」
「おれは大好きだけど？あかりは？」
「わ、たしも、だいすきっ……♡♡」

シーツに手を着いていた方の腕を緩く撫でられて、 その手を取って指を絡めて握ると、 奥を突くたびに少しずつ力を入れられて、顔を歪めるあかりにまたキスをした。


どうしようもなく、 かわいいなと思ってしまう。こういうときの、快楽に溺れてる表情もだけど、 あどけない寝顔だって、ふてくされて唇をとがらせてる顔だって、甘えてくるときの顔も、全部がかわいくて、とことん甘やかしてやりたくなる。


「んっ♡ぁ♡イっちゃう……♡リク、 ぎゅって、して……？♡」
「ん………はあ、俺も、 イきそ……」
「いっしょ、 がいいっ…ぁ♡イっ、く、〜～ッ♡♡」

ぎゅうぎゅうとなかを締め付けられて、 薄膜越しに欲を吐き出した。 同じように達したあかりは、最後まで搾り取るみたいになかを収縮させていて、大きく息をついてからなかから引き抜いた。

「ん……ぎゅう、して」
「ふ、 あかり、 本当にかわいいんだけど」
「かわいい………？」
「うん、 世界で一番かわいい」
「リクも、 世界で一番かっこいい」
「そう？じゃあ世界で一番かっこいい彼氏のお願い聞いてくれる？」
「ぇ、 なに、あ……♡」
「まだ付き合って♡」

すぐに疲れてしまうあかりを労わってやりたいところだけど、何せ今日は久しぶりなんだから、 もっともっとあかりと一緒になりたいわけで。

それに、お預けを食らってたんだから、今日くらいたくさんあかりを欲しがったっていいでしょ？なんて思いながら、もごもごと訴えかけてる唇にかじりついた。