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Bite -3years later-

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「… っ、」






鼓膜を揺らす、わずかに震えたその声は

私の耳の奥に残る彼の声、そのままで







3年前



最後に聴いたその言葉が、またふと蘇れば

かっと喉に熱が集まり、わずかに視界が歪んだ






それを誤魔化すように

私も彼の背中に手を回し、
その身体にしがみつけば



彼も私の服を握る手に

またぎゅっと、力を込める









… ずっと、忘れられなかった









どれだけ環境を変えて
どれだけ目を背けても

私の中から消えることはなかった、その存在







実在を失っても

日常の中に記憶が埋もれても







ふとした時に蘇り

私を苦しくさせた、その熱









今、

再び私を包む、その大きな熱に

押さえ込んできた感情が込み上げてくるのを、確かに感じた









「… サクヤ… 、」









縋るように、
彼の名前を口にすれば







抱きしめ合っていた身体が、わずかに離れ

私の顔を覗き込んだ彼と、視線が絡む







微かに潤んだ、その漆黒の瞳

その中に存在する自分の姿に

また、胸が締め付けられる







下唇を噛み締め、俯こうとすれば

彼の掌に頬を包まれ、そっと上を向かされて




また、視線を交わした彼は

その大きな目を、わずかに細めた









「……… ずっと、探してた」

「え、」

「あの部屋を出た日から、ずっと

どうやったらもう一回会えるかって、何回も考えた」







そう言って、

私の頬を包む指先で、私の瞼を撫で

すっと顔を寄せて、私と額を合わせる彼








触れ合う肌から伝わる、その体温と

鼻先にかかる、その吐息に




喉の奥に滲んだ熱が、
じりじりと痛みを帯びていく









「… 会いたかった、」









そしてまた、
彼が優しく、そう囁けば

ゆっくりと再び、目が合った









「望叶、

… 好きだよ」









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