Bite -change-
*
それからは
ただ、ひたすらに
彼も私も、必死で
お互いを求め合って
雰囲気だとか場所だとか
そういうものは、何もかも
一切、関係なく
お互いの熱を、肌で伝わせ合った
剥ぐように服を脱がせながら
縺れ込むようにその場で重なり合って
何度も、何度も
幾度となく、口付けて
数え切れないほど
お互いの名前を呼んで
痕が残りそうなほど
きつく引き寄せ合った
それでも、
どれだけ肌を重ねても
どれだけ熱を帯びても
身体はまだ、彼を求めていて
それはきっと、彼も同じで
苦しそうに顔を歪めながら、
私の唇にまた落とされるキス
唇を合わせたまま、
彼は私の中で欲を吐き出して
汗で濡れた額を手の甲で拭って
また、ゆっくりと動き出す
… お互いに、何度果てても
どれだけ息が切れても
彼も、私も
その行為をやめようとはしなかった
熱の篭るその部屋
徐々に暗闇に飲まれる空間
カーテンの隙間から溢れる月明かり
… これが、初めてではないのに
彼をこんなにも近くに感じたのは、初めてで
暗がりに浮かぶ、その姿に
また、ぎゅっと胸が締め付けられた
「っ…… 、望叶、… 」
切れた息の隙間で
私の名前を象って消えた、脆い声
それに応えるように、
彼の頬に手を添えれば
その手に、彼も自分の手を重ねて
さらに深く、私の中に沈み込む
私を包む、その傷付いた腕も
汗で湿った、その黒髪も
吐き出される、熱い吐息も
何もかもが、新しくて
何もかも、愛おしかった
歯を立てる代わりに
優しく素肌に落とされる無数のキス
そしてまた、
彼が腰の律動を速めれば
息が切れた喉が痛んで
目の裏が白く染まり出す
迫り来る感覚に、
目を閉じようとした瞬間
彼は私の耳に、唇を寄せて
そっと小さく、呟いた
私が意識を手放す直前
私の瞳に、最後に映った彼は
微笑んでいたような、そんな気がした
.
それからは
ただ、ひたすらに
彼も私も、必死で
お互いを求め合って
雰囲気だとか場所だとか
そういうものは、何もかも
一切、関係なく
お互いの熱を、肌で伝わせ合った
剥ぐように服を脱がせながら
縺れ込むようにその場で重なり合って
何度も、何度も
幾度となく、口付けて
数え切れないほど
お互いの名前を呼んで
痕が残りそうなほど
きつく引き寄せ合った
それでも、
どれだけ肌を重ねても
どれだけ熱を帯びても
身体はまだ、彼を求めていて
それはきっと、彼も同じで
苦しそうに顔を歪めながら、
私の唇にまた落とされるキス
唇を合わせたまま、
彼は私の中で欲を吐き出して
汗で濡れた額を手の甲で拭って
また、ゆっくりと動き出す
… お互いに、何度果てても
どれだけ息が切れても
彼も、私も
その行為をやめようとはしなかった
熱の篭るその部屋
徐々に暗闇に飲まれる空間
カーテンの隙間から溢れる月明かり
… これが、初めてではないのに
彼をこんなにも近くに感じたのは、初めてで
暗がりに浮かぶ、その姿に
また、ぎゅっと胸が締め付けられた
「っ…… 、望叶、… 」
切れた息の隙間で
私の名前を象って消えた、脆い声
それに応えるように、
彼の頬に手を添えれば
その手に、彼も自分の手を重ねて
さらに深く、私の中に沈み込む
私を包む、その傷付いた腕も
汗で湿った、その黒髪も
吐き出される、熱い吐息も
何もかもが、新しくて
何もかも、愛おしかった
歯を立てる代わりに
優しく素肌に落とされる無数のキス
そしてまた、
彼が腰の律動を速めれば
息が切れた喉が痛んで
目の裏が白く染まり出す
迫り来る感覚に、
目を閉じようとした瞬間
彼は私の耳に、唇を寄せて
そっと小さく、呟いた
私が意識を手放す直前
私の瞳に、最後に映った彼は
微笑んでいたような、そんな気がした
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