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Bite -change-








それからは

ただ、ひたすらに
彼も私も、必死で

お互いを求め合って







雰囲気だとか場所だとか

そういうものは、何もかも
一切、関係なく

お互いの熱を、肌で伝わせ合った








剥ぐように服を脱がせながら

縺れ込むようにその場で重なり合って







何度も、何度も

幾度となく、口付けて





数え切れないほど

お互いの名前を呼んで






痕が残りそうなほど

きつく引き寄せ合った









それでも、




どれだけ肌を重ねても
どれだけ熱を帯びても



身体はまだ、彼を求めていて






それはきっと、彼も同じで






苦しそうに顔を歪めながら、
私の唇にまた落とされるキス





唇を合わせたまま、

彼は私の中で欲を吐き出して





汗で濡れた額を手の甲で拭って

また、ゆっくりと動き出す









… お互いに、何度果てても

どれだけ息が切れても








彼も、私も

その行為をやめようとはしなかった









熱の篭るその部屋

徐々に暗闇に飲まれる空間

カーテンの隙間から溢れる月明かり








… これが、初めてではないのに







彼をこんなにも近くに感じたのは、初めてで







暗がりに浮かぶ、その姿に

また、ぎゅっと胸が締め付けられた









「っ…… 、望叶、… 」








切れた息の隙間で

私の名前を象って消えた、脆い声




それに応えるように、
彼の頬に手を添えれば




その手に、彼も自分の手を重ねて

さらに深く、私の中に沈み込む








私を包む、その傷付いた腕も

汗で湿った、その黒髪も

吐き出される、熱い吐息も









何もかもが、新しくて
何もかも、愛おしかった









歯を立てる代わりに

優しく素肌に落とされる無数のキス








そしてまた、

彼が腰の律動を速めれば



息が切れた喉が痛んで

目の裏が白く染まり出す







迫り来る感覚に、
目を閉じようとした瞬間







彼は私の耳に、唇を寄せて


そっと小さく、呟いた







私が意識を手放す直前


私の瞳に、最後に映った彼は
微笑んでいたような、そんな気がした









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