天使の国

六百数十年前、多くの天使が空から落ちてきた。以降、天使の末裔が治めるグレーンジ国は長く平和な時代が続いているかのように見えたが——。地上に平和と幸福はもたらされるのか。シリアス寄り。

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目次

  • 天使第五巻のスキャン作業をしながらの雑感

     パッと見て、読めない感ありありの第五巻。ざっと見るに、いいところは抜き取られ済みの、言うなれば残りカス。こうまで言ってしまうのはひどい気がしつつも、とりあえず読むのに抵抗感が湧く作品群。モノローグで字が詰まっているわりにはわかりにくい展開。モノローグが拙い。登場人物への照準の合わせ方が倍率が大きく、閉塞感がある。登場人物視点で描かれるので、当人の内面はわかるが、それ以外がわかりにくい。のびのびと外から大きく見ている視点がほしい。当時ハマっていた少女小説の影響がにじみ出ている。

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  • 天使第六巻のスキャン作業をしながらの雑感

     1996年12/23(天使2周年)~1997年4/9執筆。高一のほぼ3学期にあたる。

     第五巻に引き続き、読むのに抵抗感が湧く雰囲気。文字が詰まりすぎているんだろうか。パラパラとめくっただけでも軽妙さがない。曇天が好きならピタッとくるのだろうか。マスカーチ軍に新戦力が続々加入、ルベリー軍のキャラがメインになるパートもあり、登場人物が多いので舞台があちこちへ飛ぶ。その割には視点が狭く、開放感がない印象。読んではいない。あくまでも、スキャンをするためにチラ見した程度ながら、感じた雑感である。

     中には、いいなと萌え抜きで気に入っていたところがあるので、そこの部分は抜粋予定。萌え抜きでいいと思えるところはある。しかし、そこ以外は読めない。思うのは、萌えは書くための燃料ではあるんだけど、作品の質には害になるほうが多いのではないかということ。

     二度と開かないだろうなとは思いながらも、1~5巻まではスキャンしたので、6巻以降はないというのも気持ちが悪く、骨折り作業ながらもスキャンした。最低限プラスアルファに止めているにもかかわらず、20枚以上のデータ量になっている。もっと省いてもいいくらいだ。各章の冒頭と終幕は、本当言うと要らない。ただ、これまでの巻をそうしてきたからそうしたんである。

     このように好き放題言っているが、当時は本人は面白いと思って書いている。この巻に始まったことではないが、章の合間の作者の感想やら、巻末の遊びのページの座談会のようなものが、だいぶ寒い。楽しめるのは当時の作者だけである。故にシュレッダー。

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  • 天使第七巻のスキャン作業をしながらの雑感

     扉絵がいつ描かれたのかは不明ながら、執筆期間は1997年4/13~10/10の高校二年生時の作品。

     いよいよクライマックスの雰囲気。他と同じくB100枚キャンパスノート使用ながら収録は2話のみ。しかも十八章の続きと、番外編という取り合わせ。第七巻では物語はちょっとしか進展しないってことです。と言いながらも、クライマックスであり、18章としての盛り上がりと終結である上に終章20章につながる、ザ・本編中の本編の本筋である。終幕へのうねりの中に入ったと感じる力のある章。つまり、作者が考えて書いたのではなく、湧き上がったものである。マグマはあっさりプロットを飲み込んでいったので、終わってから作者ボーゼンである。湯冷ましに、残りのページを番外編にしたと思われる。あと、本編に登場したもののそこまで語られていない新キャラを掘り下げるための話が欲しかったのもある。当時は中でもミチルとニガロの絡みが見たかったんじゃないかと思われる。

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  • 天使第八巻の雑感

    2021年10月1日

     はじめに。第七巻までは「第◯巻のスキャン作業をしながらの雑感」というタイトルだが、第八巻は単なる「雑感」とする。スキャン作業から3ヶ月以上が経過しているため、この第八巻でそのタイトルは嘘になるためだ。第六、七巻も恐ろしい枚数を抜粋していることからお察しの通り、スキャンしながらどころでない作業量になっている。とはいえ六、七巻は一冊通しての雑感部分に関してはスキャンした直後に書いたと記憶しているので、「ながらの雑感」で良しとする。 

     第八巻は扉絵が描かれた日付は不明ながら、執筆期間は1997年10月1日〜1998年2月28日もしくは3月初旬。高校2年生後半の作品群。手書きの文字は多少の癖はありながらも整っている。七巻より落ち着いた印象がある。挿絵が全巻を通して一番少ないかもしれない。その絵というのも、19章の扉絵なんて一筆書きのような山脈を描いているだけである。最初の扉絵もシンプル。20章21章の絵を見るになぜか画力が向上していることがわかる。実はもっと描けるのに描かないという、ひけらかさない感じがこれまでと違う。クライマックスのうねりから終幕へと鎮静化していくような、ある種の静謐がある。実際、巻末おまけにキャラの会話数を競う「エースをねらえ」コーナーはこれまでどおり継続してあるが、他に企画はなく、あとがきは比較的客観的に書かれてある。作者に何かあったのかと勘ぐるかもしれないが、現実世界において特筆すべきことはなく、それなりに小さく山谷ありつつ平穏に日常を送っていたと記憶している。ただ、先の18章で作者は大きなカタルシスを得たのだと思われる。

     当小説は21章まで存在する。構想上ではさらに続いているので、21章は第三部が始動した、あるいは番外編的な位置にある。しかしながら20章で物語のテーマは決着しており、20章が実質の終章である。このため予定していたプロットを見直すことになり、21章以降のエピソードを前倒しに入れ込んで20章を終わりに持ってくる構想の改訂版がこの後作成される。

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