護衛任務と、離れて初めて気付くもの
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※ほんのり裏描写あり
───
「ふふ、おかえりなさい。冷めないうちに食べましょう?」
湯気が立ちのぼるスープは、サリスの言葉どおり、絶妙な温かさだった。
口に運べば、香草と野菜の優しい風味が舌の上に広がる。
何より、どこか懐かしくて、安心する味だった。
木のスプーンを置いたレオは、ふとサリスの顔を見た。
栗色の髪をゆるく結い、エプロン姿のまま、彼女は静かにこちらを見つめていた。
「……なに?」
「ううん。ただ、ほんとに帰ってきたんだなって思って」
「……そりゃあ、帰ってくるって言ったろ」
微笑み合いながら、ふたりは食卓を囲む。
いつもの部屋、変わらぬ器。
でもそこにあるすべてが、愛おしいと感じるのは、きっと“離れていた時間”があったからだ。
「ねぇレオ、お友達……できた?」
突然の一言に、レオは思わず吹き出した。
スプーンを置き、肩を震わせながらサリスを見る。
「……お前、それ、母親みたいな言い方だぞ」
「だって……あなた、人見知りですもの。喧嘩せずに仲良くやれてたか、心配だったのよ」
その口調があまりに自然で、優しくて――
レオは思わず、彼女の手を取って引き寄せた。
頬にキスを落とし、そのまま抱きしめる。
「……ああ、出来たよ。剣士と弓矢使い、それに魔術師が一人。みんな気のいい奴らだった。お前のことも心配してくれてた」
「まぁ……」
「ブラッディ・ベアって魔物とも戦った。でかくて、牙が鋭くて、かなりやばかった」
「そんな……本当に無事でよかった……」
サリスは胸に手を当てながら、眉を寄せた。
それでも話の続きを聞きたがる瞳は、どこか少女のような輝きを帯びていた。
レオは、旅の仲間たちとのやりとりを、少し照れながら話していく。
ハルトの豪快さ、アッシュの観察眼、メルキオの老練な魔法。
サリスは時折「ふふ」「あらまぁ」などと合いの手を入れながら、心から楽しそうに耳を傾けていた。
その笑顔を見ているだけで、
レオの心はじんわりとあたたかくなっていった。
やっぱり、この場所がいい。
この人の隣が、帰る場所だ――と。
*
食後の皿を片付け、カーテンを閉める頃には、部屋の中はすっかり夜の空気に包まれていた。
レオは荷をほどき、シャワーを浴びに向かった。
――そして、しばらくして。
温かな水で汗と土を流し終えたレオは、タオルを肩に掛けたまま、ベッドの縁に腰を下ろした。
濡れた髪が肩にかかり、湯上がりの体からは微かな蒸気が立ちのぼる。
そこに、後ろからそっとサリスが近づいてきた。
すでに自分も身支度を終えていて、淡い色のナイトドレスに身を包んでいる。
首筋にかかる髪がふわりと揺れ、ほのかに香るのはハーブと石鹸の匂い。
レオが振り返ると、彼女の声が、そっと響いた。
「……レオ、帰ってきたばかりなのに……疲れてるんじゃないの?」
レオの瞳が、すっと細められた。
けれどその奥には、熱を帯びた深い光が宿っていた。
「疲れてないよ」
「……ほんとに?」
「むしろ……ずっと、こうして触れたくてたまらなかった」
言葉よりも先に、腕が伸びていた。
サリスの腰を引き寄せ、唇をそっと重ねる。
彼女の身体は少しひんやりしていたけれど、
肌の奥から伝わってくる温もりは、何よりも確かだった。
「……寂しかった?」
「……あぁ。想像以上に、な」
「……わたしもよ」
静かな夜、すぐそばで鼓動が重なり合う。
ゆっくりと時間が溶けて、境目がなくなっていく。
言葉はいらなかった。
肌に伝わる想いの熱が、すべてを語ってくれる。
やがて、部屋の灯りがふっと落ち、
窓の外には、夜の風がそっと揺れていた。
この夜が永遠に続けばいいと――
ふたりは、ただただ、確かめ合うように、優しく、深く、
何度も名を呼び、何度も唇を重ねた。
───
「ふふ、おかえりなさい。冷めないうちに食べましょう?」
湯気が立ちのぼるスープは、サリスの言葉どおり、絶妙な温かさだった。
口に運べば、香草と野菜の優しい風味が舌の上に広がる。
何より、どこか懐かしくて、安心する味だった。
木のスプーンを置いたレオは、ふとサリスの顔を見た。
栗色の髪をゆるく結い、エプロン姿のまま、彼女は静かにこちらを見つめていた。
「……なに?」
「ううん。ただ、ほんとに帰ってきたんだなって思って」
「……そりゃあ、帰ってくるって言ったろ」
微笑み合いながら、ふたりは食卓を囲む。
いつもの部屋、変わらぬ器。
でもそこにあるすべてが、愛おしいと感じるのは、きっと“離れていた時間”があったからだ。
「ねぇレオ、お友達……できた?」
突然の一言に、レオは思わず吹き出した。
スプーンを置き、肩を震わせながらサリスを見る。
「……お前、それ、母親みたいな言い方だぞ」
「だって……あなた、人見知りですもの。喧嘩せずに仲良くやれてたか、心配だったのよ」
その口調があまりに自然で、優しくて――
レオは思わず、彼女の手を取って引き寄せた。
頬にキスを落とし、そのまま抱きしめる。
「……ああ、出来たよ。剣士と弓矢使い、それに魔術師が一人。みんな気のいい奴らだった。お前のことも心配してくれてた」
「まぁ……」
「ブラッディ・ベアって魔物とも戦った。でかくて、牙が鋭くて、かなりやばかった」
「そんな……本当に無事でよかった……」
サリスは胸に手を当てながら、眉を寄せた。
それでも話の続きを聞きたがる瞳は、どこか少女のような輝きを帯びていた。
レオは、旅の仲間たちとのやりとりを、少し照れながら話していく。
ハルトの豪快さ、アッシュの観察眼、メルキオの老練な魔法。
サリスは時折「ふふ」「あらまぁ」などと合いの手を入れながら、心から楽しそうに耳を傾けていた。
その笑顔を見ているだけで、
レオの心はじんわりとあたたかくなっていった。
やっぱり、この場所がいい。
この人の隣が、帰る場所だ――と。
*
食後の皿を片付け、カーテンを閉める頃には、部屋の中はすっかり夜の空気に包まれていた。
レオは荷をほどき、シャワーを浴びに向かった。
――そして、しばらくして。
温かな水で汗と土を流し終えたレオは、タオルを肩に掛けたまま、ベッドの縁に腰を下ろした。
濡れた髪が肩にかかり、湯上がりの体からは微かな蒸気が立ちのぼる。
そこに、後ろからそっとサリスが近づいてきた。
すでに自分も身支度を終えていて、淡い色のナイトドレスに身を包んでいる。
首筋にかかる髪がふわりと揺れ、ほのかに香るのはハーブと石鹸の匂い。
レオが振り返ると、彼女の声が、そっと響いた。
「……レオ、帰ってきたばかりなのに……疲れてるんじゃないの?」
レオの瞳が、すっと細められた。
けれどその奥には、熱を帯びた深い光が宿っていた。
「疲れてないよ」
「……ほんとに?」
「むしろ……ずっと、こうして触れたくてたまらなかった」
言葉よりも先に、腕が伸びていた。
サリスの腰を引き寄せ、唇をそっと重ねる。
彼女の身体は少しひんやりしていたけれど、
肌の奥から伝わってくる温もりは、何よりも確かだった。
「……寂しかった?」
「……あぁ。想像以上に、な」
「……わたしもよ」
静かな夜、すぐそばで鼓動が重なり合う。
ゆっくりと時間が溶けて、境目がなくなっていく。
言葉はいらなかった。
肌に伝わる想いの熱が、すべてを語ってくれる。
やがて、部屋の灯りがふっと落ち、
窓の外には、夜の風がそっと揺れていた。
この夜が永遠に続けばいいと――
ふたりは、ただただ、確かめ合うように、優しく、深く、
何度も名を呼び、何度も唇を重ねた。
