【小さな家族ごっこ】Part2 夜を紡ぐ二人※
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【レオ視点】
夜は深く、静かに降りていた。
月明かりが薄く差し込む宿の部屋の中で、サリスがベッドの上で荷を整えている。
ふわりと動く栗色の髪が、光を受けてやさしく揺れるその姿を見ながら、俺は皿を片付ける手を止めたくなる衝動に駆られていた。
けど──そういう時に限って、なぜか指がよく動く。
「……よし。あとは乾かすだけだな」
そう独りごちてから、ふとベッドの方を振り返った。
彼女がこちらを見ていた。
「ねえ、パパ?」
「やめろ」
自然に返したけれど、内心では“またか”と思いながら、少しだけ笑ってしまう自分がいる。
「今日は本当にお疲れさま、パパ?」
「……おい、だから誰がパパだっての……」
サリスは悪戯っぽく微笑む。
こうやってからかってくるときの彼女は、まるで猫みたいで──それが、やたらと可愛い。
(……ったく、俺が可愛いなんて言われるのはどうかと思うが)
けど、今日は少し違う。
ピーターとの一日を経て、彼女の視線にはどこか慈しむような、深い温度が宿っている。
からかわれてるのに、胸の奥があたたかい。
そんな時だった。
「それじゃあ──パパ、覚悟して?」
「ん?」
「えいっ!」
何が起きたか分かる前に、俺の手が彼女に引かれ、ベッドの上に倒れ込んでいた。
「わっ──おい!」
くすくすと笑う声。
布の香り。
シーツの柔らかさ。
それよりも何よりも、腕の中で笑っているサリスのあたたかさ。
(……この声を、何度でも聴きたい)
「……お前、元気すぎだろ。さっきまで疲れてたはずじゃ……」
そう言いながら、俺は彼女を見下ろした。
栗色の髪が広がって、月明かりに照らされている。
白い首筋、長い睫毛、少し赤く染まった頬。
そのすべてが、やわらかくて、愛おしくて──少しだけ、怖かった。
(……こんなに綺麗なものを、俺が抱いていいのか)
ほんのわずかな迷いが、胸の奥に浮かぶ。
だが、彼女の言葉が、その迷いをそっと溶かしていく。
「あなたは、どこにいても必ず私を見つけてくれる。
海の底でも、暗闇の中でも。
そんなあなたが、私は──大好き」
(サリス……)
ああ、もう逃げられない。
彼女は俺のすべてを見て、それでも笑ってくれる。
だからこそ、俺も応えなければいけない。
もう、ごまかせない。
目を逸らしてきた想いに、触れなければならない。
「……やったな」
そう言って、唇を重ねた。
何度も、何度も。
深く、長く。
唇を吸って、熱を伝えて、それでもまだ足りないほどに。
(本当に、全部を奪ってしまいそうだ)
「……もう、えっち」
「……お前、それどこで覚えた」
「えっち?」
「繰り返すなっての……」
くすくすと笑うサリス。
俺は、もうなにも言えなかった。
指が、彼女の頬をなぞる。
そのまま耳元へ、首筋へ、鎖骨へ。
(触れるたびに、呼吸が変わる)
彼女の白い肌に刻まれていく、ちいさな痕。
それを見つめながら、俺は自分の呼吸さえ抑えられなくなっていた。
「……可愛い声、出すなよ。止まらなくなる」
(止まらなくていいなら、俺は──)
「……止まらなくて、いいわ」
サリスの声が、月明かりの中で響いた。
心臓が、大きく鳴った。
もう、逃げられなかった。
「……サリス」
「ねぇ、レオ。お願い。あなたのこと、愛してるの。私のすべてで、あなたを抱きしめたいの」
彼女の瞳に嘘はない。
揺るがない想いが、そこに宿っている。
でも、だからこそ、俺は確かめたくて口にしてしまう。
「……後悔、しないか?」
「するわけないわ。あなたの過去も、傷も、未来も……全部、私に預けて」
その言葉に、もう抗えなかった。
「……もう、逃げねえよ」
すべてを込めて、額にキスを落とす。
そして、彼女を抱きしめた。
俺の過去も、痛みも、これからも。
この人になら、全部を預けていい。
そして、全部を捧げたい。
それが俺の、覚悟だった。
夜は深く、静かに降りていた。
月明かりが薄く差し込む宿の部屋の中で、サリスがベッドの上で荷を整えている。
ふわりと動く栗色の髪が、光を受けてやさしく揺れるその姿を見ながら、俺は皿を片付ける手を止めたくなる衝動に駆られていた。
けど──そういう時に限って、なぜか指がよく動く。
「……よし。あとは乾かすだけだな」
そう独りごちてから、ふとベッドの方を振り返った。
彼女がこちらを見ていた。
「ねえ、パパ?」
「やめろ」
自然に返したけれど、内心では“またか”と思いながら、少しだけ笑ってしまう自分がいる。
「今日は本当にお疲れさま、パパ?」
「……おい、だから誰がパパだっての……」
サリスは悪戯っぽく微笑む。
こうやってからかってくるときの彼女は、まるで猫みたいで──それが、やたらと可愛い。
(……ったく、俺が可愛いなんて言われるのはどうかと思うが)
けど、今日は少し違う。
ピーターとの一日を経て、彼女の視線にはどこか慈しむような、深い温度が宿っている。
からかわれてるのに、胸の奥があたたかい。
そんな時だった。
「それじゃあ──パパ、覚悟して?」
「ん?」
「えいっ!」
何が起きたか分かる前に、俺の手が彼女に引かれ、ベッドの上に倒れ込んでいた。
「わっ──おい!」
くすくすと笑う声。
布の香り。
シーツの柔らかさ。
それよりも何よりも、腕の中で笑っているサリスのあたたかさ。
(……この声を、何度でも聴きたい)
「……お前、元気すぎだろ。さっきまで疲れてたはずじゃ……」
そう言いながら、俺は彼女を見下ろした。
栗色の髪が広がって、月明かりに照らされている。
白い首筋、長い睫毛、少し赤く染まった頬。
そのすべてが、やわらかくて、愛おしくて──少しだけ、怖かった。
(……こんなに綺麗なものを、俺が抱いていいのか)
ほんのわずかな迷いが、胸の奥に浮かぶ。
だが、彼女の言葉が、その迷いをそっと溶かしていく。
「あなたは、どこにいても必ず私を見つけてくれる。
海の底でも、暗闇の中でも。
そんなあなたが、私は──大好き」
(サリス……)
ああ、もう逃げられない。
彼女は俺のすべてを見て、それでも笑ってくれる。
だからこそ、俺も応えなければいけない。
もう、ごまかせない。
目を逸らしてきた想いに、触れなければならない。
「……やったな」
そう言って、唇を重ねた。
何度も、何度も。
深く、長く。
唇を吸って、熱を伝えて、それでもまだ足りないほどに。
(本当に、全部を奪ってしまいそうだ)
「……もう、えっち」
「……お前、それどこで覚えた」
「えっち?」
「繰り返すなっての……」
くすくすと笑うサリス。
俺は、もうなにも言えなかった。
指が、彼女の頬をなぞる。
そのまま耳元へ、首筋へ、鎖骨へ。
(触れるたびに、呼吸が変わる)
彼女の白い肌に刻まれていく、ちいさな痕。
それを見つめながら、俺は自分の呼吸さえ抑えられなくなっていた。
「……可愛い声、出すなよ。止まらなくなる」
(止まらなくていいなら、俺は──)
「……止まらなくて、いいわ」
サリスの声が、月明かりの中で響いた。
心臓が、大きく鳴った。
もう、逃げられなかった。
「……サリス」
「ねぇ、レオ。お願い。あなたのこと、愛してるの。私のすべてで、あなたを抱きしめたいの」
彼女の瞳に嘘はない。
揺るがない想いが、そこに宿っている。
でも、だからこそ、俺は確かめたくて口にしてしまう。
「……後悔、しないか?」
「するわけないわ。あなたの過去も、傷も、未来も……全部、私に預けて」
その言葉に、もう抗えなかった。
「……もう、逃げねえよ」
すべてを込めて、額にキスを落とす。
そして、彼女を抱きしめた。
俺の過去も、痛みも、これからも。
この人になら、全部を預けていい。
そして、全部を捧げたい。
それが俺の、覚悟だった。
