ファイヤーワークス・フェスティバル
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※一巻中盤に差し掛かる合間、二人が恋心を自覚し始める頃のお話。
───
賑やかな音楽と、屋台の匂いが漂う街に、サリスとレオは足を踏み入れていた。
石畳の道の先、掲示板にぺたりと貼られた一枚のチラシが、風に揺れている。
「ファイヤーワークス・フェスティバル……?」
サリスの声が、どこか楽しげに弾んだ。彼女の銀糸のような髪が陽光を受けて揺れる。レオは思わず目を細めた。
「この街の浜辺、メレモアニ・ビーチで今夜、花火が打ち上げられるんだってよ」
レオがそう説明すると、サリスはぱっと顔を輝かせた。
「花火、知ってるわ! ずっと前、海の上から見たの。……こっそり、地上に来たときに」
「こっそり……って、お前なあ……」
おいおい、清楚な見た目して意外とお転婆だな。この人魚娘は。
…と、レオは苦笑しながらも、どこか嬉しそうに口元を緩めた。
「でも、見たい。レオと一緒に見られたら、もっと素敵だと思うの」
あっさりと“レオと一緒に”なんて言ってのけるサリスの無邪気さに、レオの心臓が一瞬だけ高鳴った。
「……じゃあ、行ってみるか。夜まで時間あるし、宿でひと休みしてからな」
そう言って、レオはサリスの手を引いた。彼女の手は少しひんやりしていて、だけど、不思議な安心感をくれる。
*
夜が更けるにつれて、浜辺には人が集まりはじめた。
波打ち際に並ぶ人々の間を縫うようにして、二人は静かに並んで腰を下ろした。レオはサリスの隣に座り、ちらりと彼女の横顔を盗み見る。
潮風に吹かれて、サリスの銀髪が頬にかかる。彼女はそれを指で払いながら、小さく呟いた。
「海の上から見る花火は、とても綺麗だった。でも……地上でこうして見るのは、もっと心があたたかくなるのね」
その声は、どこか感傷的で、けれど穏やかだった。
「レオ。……ありがとう。連れてきてくれて」
「……ああ。来てよかったな」
言葉を交わすうち、どこかで太鼓の音が鳴り、そして空に、最初の花火が打ち上げられた。
夜空に咲いた火の華が、サリスの瞳に映る。青く、赤く、金色に染まりながら――その横顔はまるで、精霊そのもののようだった。
レオは不意に、言葉を失った。
ただその横顔を、胸の奥に焼きつけるように、見つめていた。
気づいていないふりをしながら、心が静かに揺れていた。
──俺は、こいつに惹かれているのかもしれない。
そう思った瞬間、空に咲いた金色の花火が、ふたりの影をそっと重ねた。
───
賑やかな音楽と、屋台の匂いが漂う街に、サリスとレオは足を踏み入れていた。
石畳の道の先、掲示板にぺたりと貼られた一枚のチラシが、風に揺れている。
「ファイヤーワークス・フェスティバル……?」
サリスの声が、どこか楽しげに弾んだ。彼女の銀糸のような髪が陽光を受けて揺れる。レオは思わず目を細めた。
「この街の浜辺、メレモアニ・ビーチで今夜、花火が打ち上げられるんだってよ」
レオがそう説明すると、サリスはぱっと顔を輝かせた。
「花火、知ってるわ! ずっと前、海の上から見たの。……こっそり、地上に来たときに」
「こっそり……って、お前なあ……」
おいおい、清楚な見た目して意外とお転婆だな。この人魚娘は。
…と、レオは苦笑しながらも、どこか嬉しそうに口元を緩めた。
「でも、見たい。レオと一緒に見られたら、もっと素敵だと思うの」
あっさりと“レオと一緒に”なんて言ってのけるサリスの無邪気さに、レオの心臓が一瞬だけ高鳴った。
「……じゃあ、行ってみるか。夜まで時間あるし、宿でひと休みしてからな」
そう言って、レオはサリスの手を引いた。彼女の手は少しひんやりしていて、だけど、不思議な安心感をくれる。
*
夜が更けるにつれて、浜辺には人が集まりはじめた。
波打ち際に並ぶ人々の間を縫うようにして、二人は静かに並んで腰を下ろした。レオはサリスの隣に座り、ちらりと彼女の横顔を盗み見る。
潮風に吹かれて、サリスの銀髪が頬にかかる。彼女はそれを指で払いながら、小さく呟いた。
「海の上から見る花火は、とても綺麗だった。でも……地上でこうして見るのは、もっと心があたたかくなるのね」
その声は、どこか感傷的で、けれど穏やかだった。
「レオ。……ありがとう。連れてきてくれて」
「……ああ。来てよかったな」
言葉を交わすうち、どこかで太鼓の音が鳴り、そして空に、最初の花火が打ち上げられた。
夜空に咲いた火の華が、サリスの瞳に映る。青く、赤く、金色に染まりながら――その横顔はまるで、精霊そのもののようだった。
レオは不意に、言葉を失った。
ただその横顔を、胸の奥に焼きつけるように、見つめていた。
気づいていないふりをしながら、心が静かに揺れていた。
──俺は、こいつに惹かれているのかもしれない。
そう思った瞬間、空に咲いた金色の花火が、ふたりの影をそっと重ねた。
