腹が減っては戦はできぬと言うし
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朝の光が石畳を優しく照らす。
「……ふぁあ……」
宿の窓辺で欠伸をかみ殺しながら、サリスは小さく伸びをした。
栗色の髪をゆるくまとめ、足音も軽やかにキッチンへ。
そこには、すでに朝の支度をするレオの姿があった。
「おはよう。よく眠れたか?」
「ええ。昨日のまかない、すごく美味しかったもの」
「そりゃよかった」
レオは、トーストの焼き加減をじっと見ながら、小さく鼻歌を口ずさんでいた。
鼻歌のメロディは、どこか“ブズーキ”で弾いた曲に似ている。
「ねぇ、レオ。これだけ働いたら──けっこう貯まったんじゃない?」
「ん。見てみろ」
そう言ってレオが取り出したのは、革の小袋。
中には金貨と銀貨がきらりと光る。数日間のアルバイトにしては、破格の報酬だった。
「思ってた以上に、あの店、儲かってたみたいだな。ほら、客も多かったし」
「ふふっ……でも、あなたの料理なら、もっと高くても良かったわよ」
「おだてても何も出ないぞ」
とは言いつつも、レオの口元はどこか緩んでいた。
「で、この稼ぎ……どうする?」
「……今日は贅沢してもいいんじゃない?」
「贅沢、ねぇ……」
しばらく考えて、レオがパンをちぎる手を止めた。
「──朝ごはんに、バターを使ってみよう」
「バター……!」
「ちょっと高いけど、ここの乳製品屋で見つけた。街でも評判のやつらしい」
「レオって、ほんとに食いしんぼうね」
「違う。これは、努力の味だ」
「ふふっ……そういうことにしておくわ」
「デザートに、サリスの好きなブルーベリータルトもつけような」
「! ほんとうに?!ありがとう、レオ!
大好きよ!!」
「ははっ、どう致しまして。
─俺も好きだよ、サリス」
そんな二人の幸せな日常のひととき。
─Fin
