エメラルドの檻③ ─Albion─【オリジナル夢】
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冷たい風が梢を揺らし、足元の落ち葉が乾いた音を立てて舞う。
レオとサリスは、森のさらに奥深くへと踏み込んでいた。
何かが確かに「見ている」。
視線のようなものが、ずっと背中に張り付いている。
レオは周囲に目を走らせながら、サリスの肩に手を置いた。
「サリス、俺から離れるなよ」
「ええ、わかってるわ。でもこの気配……」
サリスはふと立ち止まり、眉をひそめた。
「嫌な感じは、しないの。不思議と、どこか……懐かしいような」
その言葉を言い終える前だった。
――カラン……
高く澄んだ、鈴の音が森の空気を裂いた瞬間、
地面がざわりと揺れ、無数の蔦が四方八方から爆発的に伸び上がった。
「っ……!? サリス、伏せろ!!」
レオが叫ぶより早く、二人の足元から這い出した蔦が、蛇のように絡みついてきた。
鋭く、冷たく、そして異様なほど強靭に。
「くっ……ちくしょう……動けない……!」
レオは必死に腕を引き抜こうとするが、蔦は瞬く間に全身を拘束していく。
首、胸、脚……そして手。自由は奪われ、僅かに指先を動かすことすらできなかった。
「レオ……!」
すぐそばで、サリスもまた蔦に囚われていた。
その細い身体に巻き付く蔦がどんどん締め付け、息を詰まらせていく。
「……やめろ!サリスに触るなッ!!」
レオは渾身の力で腕を伸ばす。
彼女に届かせるために、声を張り上げ、体をねじる。
だが、指先が掠める寸前、蔦はサリスを宙へと引き上げ――
「レオーーッ!!」
サリスの悲鳴が、空を裂いた。
「サリス!!」
レオの叫びも届かぬまま、
彼女の姿はまるで森の闇に飲み込まれるかのように、消えていった。
残されたのは、引き裂かれた葉と、地面に落ちた小さな真珠とアクアマリンのバレッタ――
それが僅かに陽光を受け、寂しげに瞬いていた。
「……っくそッ……!」
レオは歯を食いしばり、身体をよじる。
蔦を振りほどこうとする力が全身に漲っていた。
「……サリス……待ってろ。絶対に……絶対に助け出す」
彼の琥珀色の瞳は、怒りと焦りに燃え、闇の奥へと挑む覚悟を静かに滾らせていた。
森は再び、静寂に包まれていた。
しかし、その中には確かな“変化”が芽生えていた。
精霊の森が、目覚めはじめていた――サリスという存在によって。
