エメラルドの檻② ─Aura─【オリジナル夢】
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【サリス視点】
レオが語り終えたあと、しばらく森の中は静まりかえっていた。
風の音も、虫の声も、すべてが遠くなった気がして、焚き火のはぜる音だけが、時間の流れを知らせていた。
サリスは、彼の手をそっと握っていた。
硬くて、傷だらけの手。けれどその手には、幾度も誰かを守ろうとした痕跡が刻まれていた。
「……レオ」
小さく名を呼ぶと、彼は一瞬、ぎゅっと目を閉じた。
まるで、それだけで何かをこらえているようだった。
――どれだけの苦しみを、一人で抱えてきたの?
レオが語ってくれた過去は、どれも信じがたいものばかりだった。
でも、不思議と「彼らしい」とも思えた。
それだけの悲しみを抱えながら、それでも誰かを守ろうとした。
怒りに染まらず、絶望に沈まず、命令に背いてまで人々を救おうとした。
それなのに……報われることもなく、大切な人すら失った。
なのに、今こうして――
「ねぇ、レオ……私ね」
言いながら、サリスは焚き火を見つめた。
揺らめく炎に、過去の自分が映っている気がした。
「私も、たくさんのものを失ったわ。故郷、海、仲間、精霊たち……そして、自分自身」
「でも……あなたに会って、少しずつ、取り戻していけたの。自分の声、自分の想い……それから、未来を信じる心も」
隣のレオが、はっと顔を上げた。
サリスは微笑んで、彼の目をまっすぐ見つめた。
「だからね。ありがとう、レオ。話してくれて。私、あなたが何者であっても、何をしてきたとしても……変わらず好きよ」
レオの肩が、小さく震える。
彼はゆっくりと視線を伏せて、呟いた。
「……お前にそんなふうに言ってもらえる資格なんて、俺に……」
「あるわ」
遮るように、サリスは強く言った。
「あなたは、ちゃんと自分の足で歩いてきた。逃げたことを悔やみながら、それでも人を助けて、私を守ってくれた」
「──それだけで、十分。……私は、そう思ってる」
レオの目に、炎よりも温かい光が宿っていた。
その光が、サリスの胸の奥まで染み込んでいく。
――彼と出会えてよかった。
本当にそう思った。
彼の過去も、傷も、すべて受け入れたいと心から思った。
だって、彼もまた、自分を受け入れてくれたから。
誰かの許しを待たずとも、二人で少しずつ、歩いていけばいい。
焚き火の火が静かに揺れ、夜が優しく二人を包んでいた。
レオが語り終えたあと、しばらく森の中は静まりかえっていた。
風の音も、虫の声も、すべてが遠くなった気がして、焚き火のはぜる音だけが、時間の流れを知らせていた。
サリスは、彼の手をそっと握っていた。
硬くて、傷だらけの手。けれどその手には、幾度も誰かを守ろうとした痕跡が刻まれていた。
「……レオ」
小さく名を呼ぶと、彼は一瞬、ぎゅっと目を閉じた。
まるで、それだけで何かをこらえているようだった。
――どれだけの苦しみを、一人で抱えてきたの?
レオが語ってくれた過去は、どれも信じがたいものばかりだった。
でも、不思議と「彼らしい」とも思えた。
それだけの悲しみを抱えながら、それでも誰かを守ろうとした。
怒りに染まらず、絶望に沈まず、命令に背いてまで人々を救おうとした。
それなのに……報われることもなく、大切な人すら失った。
なのに、今こうして――
「ねぇ、レオ……私ね」
言いながら、サリスは焚き火を見つめた。
揺らめく炎に、過去の自分が映っている気がした。
「私も、たくさんのものを失ったわ。故郷、海、仲間、精霊たち……そして、自分自身」
「でも……あなたに会って、少しずつ、取り戻していけたの。自分の声、自分の想い……それから、未来を信じる心も」
隣のレオが、はっと顔を上げた。
サリスは微笑んで、彼の目をまっすぐ見つめた。
「だからね。ありがとう、レオ。話してくれて。私、あなたが何者であっても、何をしてきたとしても……変わらず好きよ」
レオの肩が、小さく震える。
彼はゆっくりと視線を伏せて、呟いた。
「……お前にそんなふうに言ってもらえる資格なんて、俺に……」
「あるわ」
遮るように、サリスは強く言った。
「あなたは、ちゃんと自分の足で歩いてきた。逃げたことを悔やみながら、それでも人を助けて、私を守ってくれた」
「──それだけで、十分。……私は、そう思ってる」
レオの目に、炎よりも温かい光が宿っていた。
その光が、サリスの胸の奥まで染み込んでいく。
――彼と出会えてよかった。
本当にそう思った。
彼の過去も、傷も、すべて受け入れたいと心から思った。
だって、彼もまた、自分を受け入れてくれたから。
誰かの許しを待たずとも、二人で少しずつ、歩いていけばいい。
焚き火の火が静かに揺れ、夜が優しく二人を包んでいた。
