エメラルドの檻② ─Aura─【オリジナル夢】
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「あぁ、良かった……!あったわ」
部屋に飛び込むように戻ると、サリスは真っ先にベッドの下を覗き込んだ。
布の影に隠れていた小さな箱――そこに、大切にしまっておいたアクアマリンのバレッタがあった。
銀色の海を象ったような、美しい細工の髪飾り。
レオにもらった、大切なもの。
サリスはそのバレッタを両手で抱きしめ、胸にぎゅっと押し当てた。
「……ふふ、良かった……」
その様子を、部屋の入口に立ったレオはそっと見つめていた。
自然と口元が綻ぶ。
「……サリス」
「ん?」
振り返るサリスに、レオは鞄からひとつの包みを取り出した。赤いリボンで結ばれた、可愛らしい紙の箱。
「これを、受け取ってくれないか?」
「……? なぁに?」
「サリスと出会って、一年が経つだろ。……その記念に」
驚きと嬉しさに、サリスはぱちぱちと瞬きをした。
両手で包みを受け取り、そっとリボンをほどく。中から現れたのは――
「……! 綺麗……」
薄花色(花を薄くしたような青紫色)のワンピースだった。光を柔らかく反射する布地に、白く繊細な花の刺繍が施されている。
サリスはその布をそっと頬に当てた。どこか、春のそよ風のような、優しさが感じられた。
「サリスに似合うと思って」
「……ありがとう、レオ……!」
うるんだ瞳で見つめるサリスに、レオは少しだけ照れたように目を逸らした。
「でも私……もらってばかりね」
「気にするな。俺があげたくてあげてるんだ」
「……うん。でも、私もレオに贈りたいの」
サリスはぱっと顔を輝かせると、くるりとレオに向き直った。
「ねぇ、出発の前に少しだけ街に寄っていかない? すぐ終わるから!」
「……?」
「ふふ、内緒。でも、絶対に喜ばせてみせるわ!」
そう言ってサリスは、ワンピースとバレッタを抱きかかえ、軽やかに踊るようにレオのもとへ駆け寄った。
その笑顔は、まるで新しい旅立ちの朝に咲いた、一輪の花のように――まぶしかった。
