エメラルドの檻①【オリジナル夢】
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朝の光が浜辺を包み、海鳥たちの鳴き声が頭上をかすめていく。
静かな余韻に包まれていたふたりの間に、レオがふと何かを思い出したように呟いた。
「……さて、ここからが大変だ」
「え?」
「……俺たちが泊まってた宿に荷物、全部置いてきちゃったからな」
「えっ!?嘘ッ全部!?」
サリスが驚いて目を丸くすると、レオは苦笑いを浮かべながら指を折って数え始めた。
「俺の短剣、財布、地図、着替えに薬草も……」
「……あっ!」
サリスが声を上げる。
「私も!レオからもらった、あの髪飾り……大事にしてたのに!」
「ははっ、そういえばサリス、ベッドの横に置いてたっけ」
「うぅ……どうしよう。なくなってたらどうしよう……」
「だったら——」
レオはおどけたように片眉をあげ、太陽を背にして立ち上がった。
「急いで取りに行くしかないな!」
サリスも思わず吹き出す。
「ふふっ……そうね、急がなきゃ!」
ふたりは顔を見合わせて、笑い合う。
大きな出来事を乗り越えたあとの、どこかホッとしたような、軽やかで自然な笑顔だった。
足元の砂を蹴りながら、ふたりは駆け出す。
ひとつしかない地図を目指して。
誰かに奪われないように、大事な髪飾りを取り戻すために。
そして——これからも続いていくふたりの日々へ向かって。
朝の光はやさしく、ふたりの背中を明るく照らしていた。
少女は、もう檻の中にいない。
自由な足で、自分の意志で歩いていく。
その隣には、あの日、檻を壊した青年がいる。
彼らの旅は、今日も続いていく。
──終わり。そして、はじまり。
エメラルドの檻
~ Fin ~
to be continued...
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