そなたとの約束は、全て守った。あの子を中つ国一番の娘に育て上げ、イスタリとしての使命にも忠実に従ってきた。
　だが、一つだけ守れなかった約束がある。
　
　
　
　永遠に変わらないで欲しいというあの約束だが、わしは守れそうにない。そなたともう一度、生きたい。家族三人で生きたい。そして、あの子にもう一度笑顔を取り戻して欲しい。
　そのためなら……エルミラエル。わしは、何にでも成れる。何にでも変わることが出来るし、何でも始められる。
　例えそれが、人の世を終わらせる戦であったとしても。