あとがき・次回予告
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多すぎる哀しみの先に、果たして意味はあるのか。
多くの人が直面する疑問に、ネルファンディアも立ち向かうことになりました。しかし彼女は己の使命を見つけて、残酷な人生の答えを見いだすに至りました。果たしてこれが正しい道なのか。きっとそれは彼女にもわからないことでしょう。
トーリンは大きすぎる使命の前に押し潰されそうになる度に、自分を圧し殺して生きてきました。中つ国の運命を両肩に背負うこととなったネルファンディアも、理解しきれなかった彼の苦しみがわかってきています。ですがそれはトーリンにしかわからないこと。人は皆、自分にしかわからない苦しみを背負っています。それでも生きていくのは────明日を迎えようとするのはどうしてなのか。ネルファンディアやフロドだけでなく、様々な登場人物たちを通してこの疑問の答えを、皆さんなりに見つけることが出来るような第五部であったならば幸いです。
サルマンが背信に至った経緯や、彼がヴァラールの使命よりも大切に思っていた家族については、番外編『Long To Tell You』にて詳しく描いていきたいと思っています。そちらも併せて読まれると、より夢小説本編のちょっとした描写などに納得が行くかと思います。
ちょっとした作成秘話といっては何ですが、少しだけいつもより長くあとがきの話をさせていただきたいと思います。サルマンの背信の理由を明かす回を更新するより少し前に、Twitterの方でとらせていただいたアンケートがありました。内容はぶっちゃけサルマンとガンダルフのどちらがネルファンディアの父親設定に向いていたと思いますか?というものを実施しました。結果は予想通り、ガンダルフが父親だった方が正直なところ良かったのでは?という方もちらほら居られました。
実は私も、彼の背信の理由をプロットで決定する前は迷っていました。ガンダルフの方が圧倒的にいい父親になりそうですし、皆に愛される魔法使いです。それに夢主人公の父親が、サウロンと手を組んだ狂気の魔法使いというのはあまり感情移入できなさそうでした。
ですが背信の理由を決定したとき、そして実際にそのシーンを書いたときに、やはり彼にして良かったなと思った自分がいました。確かにサルマンの犯した罪は、彼の死によって許されるものではありません。ですが、彼はとても人間的です。個人的にサルマンはガンダルフより人間らしいイスタリだと思っています。
人間の在り方を描きたかったという一つの目標が、皆様に少しでも違和感なく伝わっていたら嬉しいです。
さて。ここに一つ、最後にある方への敬意を記しておきます。
それはサルマンを演じた、亡き名優クリストファー・リー氏です。彼の偉大であり聡明なサルマンの演技なくしては、この物語は成立しませんでした。この場を借りて、本当に心より感謝と敬意、そして追悼の念をお伝えさせていただきます。ありがとうございました。
では、サルマンが幼い頃のネルファンディアに思ったことというコンセプトにぴったりな洋楽をみつけたので、歌姫セリーヌ・ディオンさんのカバーバージョンのURLと、私が独自に訳したサルマン視点の歌詞を載せておきます。
Lullaby (Goodnight my angel)
Goodnight my angel, time to close your eyes
さぁお眠り、目を閉じる時間じゃ
And save these questions for another day
質問はまた別の日にとっておきなさい
I think I know what you've been asking me
そなたが何を聞きたかったか、わしは解っておると思う
I think you know what I've been trying to say
そしてそなたも、わしが何を言いたかったか解るはずじゃ
I promised I would never leave you
決してそなたを独りにしないと約束したじゃろう?
Then you should always know
故にいつもわかっていてほしい
Wherever you may go, no matter where you are
どこへ行こうとも、どこに居ようとも
I never will be far away
そなたの遠くに行ったりはせんと
Goodnight my angel, now it's time to sleep
さぁお眠り、目を閉じる時間じゃ
And still so many things I want to say
わしにももっと、沢山言いたいことがあるんじゃよ
Remember all the songs you sang for me
この父に歌ってくれた歌全てを記憶に留めておくがいい
When we went sailing on an emerald bay
共に "緑の入り江" で船を漕いだときのことじゃよ
And like a boat out on the ocean
そしてわしは海に漕ぎ出す船のように
I'm rocking you to sleep
そなたに心地よい眠りを与えよう
The water's dark and deep
その水は暗く深い
Inside this ancient heart
この長く生きすぎた心の中では
You'll always be a part of me
そなたはいつもわしの欠けがえない存在
Goodnight my angel, now it's time to dream
さぁお眠り、夢の世界に行く時間じゃ
And dream how wonderful your life will be
そしてその人生がこれから、
どれ程素晴らしいものになるかに思いを馳せるのじゃ
Someday your child may cry, and if you sing this lullaby
いつの日かそなたの子が泣き出したとき、
この子守唄を歌えば
Then in your heart there will always be a part of me
その心にはいつもわしが居るじゃろう
Someday we'll all be gone
いつの日か、人は皆旅立つんじゃよ
But lullabies go on and on
じゃが子守唄は永遠に歌い継がれる
They never die
決してそこに死などないんじゃ
That's how you and I will be
そんな風に、わしとそなたも生きていくんじゃよ
【次回予告】
────闇が世界を覆うとき、光はその輝きを放つ。
エレボールへ向かったネルファンディアは、スランドゥイル王と山の下の王を継いだダイン卿に、光と闇がぶつかる最後の戦いの訪れを告げる。ドゥリンの指輪を見せても尚、援軍を渋るドワーフたちとの交渉を諦めようとしていた中、エレボールにもサウロンの脅威がやってくる。
懐かしい仲間との再会、消せない過去、そして中つ国に現在迫る危機。その全てを糧に、ネルファンディアはサウロンとの対峙を決意する。果たして彼女は開戦の時に間に合うことが出来るのか。
全ての運命が終焉を迎えるとき、ネルファンディアを待ち受ける結末とは……
最終部となる第六部、賢者の帰還。ご期待ください!
多くの人が直面する疑問に、ネルファンディアも立ち向かうことになりました。しかし彼女は己の使命を見つけて、残酷な人生の答えを見いだすに至りました。果たしてこれが正しい道なのか。きっとそれは彼女にもわからないことでしょう。
トーリンは大きすぎる使命の前に押し潰されそうになる度に、自分を圧し殺して生きてきました。中つ国の運命を両肩に背負うこととなったネルファンディアも、理解しきれなかった彼の苦しみがわかってきています。ですがそれはトーリンにしかわからないこと。人は皆、自分にしかわからない苦しみを背負っています。それでも生きていくのは────明日を迎えようとするのはどうしてなのか。ネルファンディアやフロドだけでなく、様々な登場人物たちを通してこの疑問の答えを、皆さんなりに見つけることが出来るような第五部であったならば幸いです。
サルマンが背信に至った経緯や、彼がヴァラールの使命よりも大切に思っていた家族については、番外編『Long To Tell You』にて詳しく描いていきたいと思っています。そちらも併せて読まれると、より夢小説本編のちょっとした描写などに納得が行くかと思います。
ちょっとした作成秘話といっては何ですが、少しだけいつもより長くあとがきの話をさせていただきたいと思います。サルマンの背信の理由を明かす回を更新するより少し前に、Twitterの方でとらせていただいたアンケートがありました。内容はぶっちゃけサルマンとガンダルフのどちらがネルファンディアの父親設定に向いていたと思いますか?というものを実施しました。結果は予想通り、ガンダルフが父親だった方が正直なところ良かったのでは?という方もちらほら居られました。
実は私も、彼の背信の理由をプロットで決定する前は迷っていました。ガンダルフの方が圧倒的にいい父親になりそうですし、皆に愛される魔法使いです。それに夢主人公の父親が、サウロンと手を組んだ狂気の魔法使いというのはあまり感情移入できなさそうでした。
ですが背信の理由を決定したとき、そして実際にそのシーンを書いたときに、やはり彼にして良かったなと思った自分がいました。確かにサルマンの犯した罪は、彼の死によって許されるものではありません。ですが、彼はとても人間的です。個人的にサルマンはガンダルフより人間らしいイスタリだと思っています。
人間の在り方を描きたかったという一つの目標が、皆様に少しでも違和感なく伝わっていたら嬉しいです。
さて。ここに一つ、最後にある方への敬意を記しておきます。
それはサルマンを演じた、亡き名優クリストファー・リー氏です。彼の偉大であり聡明なサルマンの演技なくしては、この物語は成立しませんでした。この場を借りて、本当に心より感謝と敬意、そして追悼の念をお伝えさせていただきます。ありがとうございました。
では、サルマンが幼い頃のネルファンディアに思ったことというコンセプトにぴったりな洋楽をみつけたので、歌姫セリーヌ・ディオンさんのカバーバージョンのURLと、私が独自に訳したサルマン視点の歌詞を載せておきます。
Lullaby (Goodnight my angel)
Goodnight my angel, time to close your eyes
さぁお眠り、目を閉じる時間じゃ
And save these questions for another day
質問はまた別の日にとっておきなさい
I think I know what you've been asking me
そなたが何を聞きたかったか、わしは解っておると思う
I think you know what I've been trying to say
そしてそなたも、わしが何を言いたかったか解るはずじゃ
I promised I would never leave you
決してそなたを独りにしないと約束したじゃろう?
Then you should always know
故にいつもわかっていてほしい
Wherever you may go, no matter where you are
どこへ行こうとも、どこに居ようとも
I never will be far away
そなたの遠くに行ったりはせんと
Goodnight my angel, now it's time to sleep
さぁお眠り、目を閉じる時間じゃ
And still so many things I want to say
わしにももっと、沢山言いたいことがあるんじゃよ
Remember all the songs you sang for me
この父に歌ってくれた歌全てを記憶に留めておくがいい
When we went sailing on an emerald bay
共に "緑の入り江" で船を漕いだときのことじゃよ
And like a boat out on the ocean
そしてわしは海に漕ぎ出す船のように
I'm rocking you to sleep
そなたに心地よい眠りを与えよう
The water's dark and deep
その水は暗く深い
Inside this ancient heart
この長く生きすぎた心の中では
You'll always be a part of me
そなたはいつもわしの欠けがえない存在
Goodnight my angel, now it's time to dream
さぁお眠り、夢の世界に行く時間じゃ
And dream how wonderful your life will be
そしてその人生がこれから、
どれ程素晴らしいものになるかに思いを馳せるのじゃ
Someday your child may cry, and if you sing this lullaby
いつの日かそなたの子が泣き出したとき、
この子守唄を歌えば
Then in your heart there will always be a part of me
その心にはいつもわしが居るじゃろう
Someday we'll all be gone
いつの日か、人は皆旅立つんじゃよ
But lullabies go on and on
じゃが子守唄は永遠に歌い継がれる
They never die
決してそこに死などないんじゃ
That's how you and I will be
そんな風に、わしとそなたも生きていくんじゃよ
【次回予告】
────闇が世界を覆うとき、光はその輝きを放つ。
エレボールへ向かったネルファンディアは、スランドゥイル王と山の下の王を継いだダイン卿に、光と闇がぶつかる最後の戦いの訪れを告げる。ドゥリンの指輪を見せても尚、援軍を渋るドワーフたちとの交渉を諦めようとしていた中、エレボールにもサウロンの脅威がやってくる。
懐かしい仲間との再会、消せない過去、そして中つ国に現在迫る危機。その全てを糧に、ネルファンディアはサウロンとの対峙を決意する。果たして彼女は開戦の時に間に合うことが出来るのか。
全ての運命が終焉を迎えるとき、ネルファンディアを待ち受ける結末とは……
最終部となる第六部、賢者の帰還。ご期待ください!
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