青学編
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『ちょっとホワイトな日』
「おはよう七星ちゃん」
「あ、おはようございます。不二先輩」
いつもと変わらない朝の登校風景に、生徒たちがそれぞれ賑やかに挨拶をする中、一年の昇降口に三年の不二がにこやかに立っていた。
「キャー不二先輩!」
「おはようございますぅ!」
女子が群がる。
「わ~不二先輩だよ」
「ほんとだ」
友人でクラスメイトの春菜と歩きながら、「誰かに用事かな?」くらいにしか思っていなかった七星に不二が前述の声をかけて来たのだ。
一斉に不二を囲む女子から視線を浴びる七星。
(ひえ!)
身がすくむとはこの事か、と感じたほどだ。
「これ、この間のお返し。ありがとう」
「え、いえ」
「ホワイトデーは明日だけれど、土曜日でお休みだから一日早いけど、僕からのほんの気持ち」
ホワイトデー……ですか。はい、忘れていました。そんなイベント。
とにかくバレンタインデーさえやり過ごせばすべて穏便にいく、と考えていた自分がおめでたい。
(あたしのはお母さんが作ったもので、あたしは関与してません)
受け取ったものの、妙な罪悪感が湧いて来る。
「あ、あの不二先輩、わ、私もバレンタインにチョコ渡したんですが……」
七星に渡されたお返しを見て、周りの女子も勇気を振り絞る。
「ああ、そうだったね。ありがとう」
そう言うとにこやかな不二スマイルのまま、手持ちの紙袋から可愛くラッピングされた小袋をひとつ取り出し手渡した。