青学編
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(でもお礼って……まさかあれかなあ)
思い当たるのは、クッキーしかない。
海堂は学園祭実行委員会のプリントを配るのを手伝ってくれた。それで、ちょうど調理実習で焼いたクッキーをお礼として渡したのだが……。
(結構あの時はゴタゴタしちゃったな)
と、七星は少し前のことを思い出した。
「ねえ、朝、海堂先輩来てたでしょ」
食後に図書室に来れば、なぜか当番は越前だ。
「え、見てたの?」
「見えたの。一年の廊下だし」
そう言えばそうか、と疑問も持たずに納得した。
「何か用事だったわけ?」
越前はなぜ海堂が、という疑問と好奇心を出さないように、何気なさを装いつつ貸し出し作業をする。
「お礼を言いに来てくれたの」
「お礼?」
「そう、実行委員会の事で」
しかし、本来手伝って貰ったのはこちらだし、お礼を言うのもこちらだ。しかもそれはクッキーで終了している。
(お礼のお礼を貰っちゃった?)
でも、更にお礼を返せば義理がたい海堂のことだ、お礼のループが生まれてしまう。そんなことを考え、どうしたものかと結論も出せずカウンターの前で動きも止まる。
自分を前に上の空になる七星に越前は面白くない。
「ねえ、借りるか借りないか決めてくれない? もうじきチャイム鳴るし、ここ閉めるの俺だし」
「あ、ごめん、もうそんな時間?」
借りるから、と七星は目的の棚に向かい本を抱えて来た。
「返却は二週間以内」
「ありがとう」
定番のセリフに返される笑顔。
それだけで越前のイラつきも消えた。