青学編
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『餅談議、お節談議(青学version)』
「来年は二日から練習……すか!?」
「ああ、俺たち三年もお前たちの練習に混ぜてもらいたいと思ってな」
夏の大会後引退した三年のテニス部元レギュラーメンバー全員が、正月休みを返上して一二年部員と練習したいと打診してきたのは、冬休みの部活中のことであった。
「うお、そいつは願ってもないことじゃないっすか!! ぜひお願いしますよ!」
海堂に話していた手塚の声を聞きつけた桃城が、本塁打を放った選手のように駆け込んで来た。
「そうか、ではよろしく頼む」
というわけで、青学の練習始めは一月の二日からとなった。
「おめっとさーん!!」
勢いよく部室の戸を開けて菊丸が入って来た。
「おめでとう英二」
大石と不二が笑顔で迎え
「明けましておめでとうございまーす」
桃城や越前も振り返って答えた。
「ねね、おチビはお雑煮食べた?」
「食べたっス」
「初めて?」
「いや、ずっと正月は餅食ってますけど……」
なぜ、と言いたげに越前は眉を動かした。
「ああ、ほらおチビって帰国子女じゃん? だからさ、海外にいる間はお餅なんて食べたことないのかなって思ったんだよん」
好奇心がいっぱいなのか、菊丸は目をくりくりさせて越前を見る。
「むしろ逆っス。ずっと和食中心」
ため息をつきながらも、越前は目で笑い返した。
「なんだ、そうなのか~。じゃあさ、じゃあさ、お節も食べてるよね? おチビは何が好き?」
「お節っスか?」
なおも食いつく菊丸に、少し考え込むと
「そっスね、数の子、昆布、田作り、なます……」
「えっ!」
「ええっ!?」
「え……?」
部室のあちらこちらから上がる驚きに、越前は首をひねる。
「何スか?」
「いや、好みが渋いかなって」
「普通でしょ?」
今度は大石に向かって首をひねる。