青学編
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「その構造は、まるで波間にも見える。つまりは宇宙も海なのだと言えるのではないかな。子を思う母親の心の広さは無限大だ」
乾先輩の言葉に、何だか納得してしまった。宇宙もお母さんなんだ…。
「あーっ! 乾、ずるいーっ」
乾先輩から分けて貰った、最後の海老フライをくわえた直後、菊丸先輩の声がかなり勢いよく駆け寄って来た。
「七星ちゃん、来てたならちゃんと僕らに声をかけて欲しいな」
あわてて海老フライを飲み込むようにして食べたけど、むせるかと思った。目を白黒させてボトルのお茶でひと息つくと、木陰に座るあたしと乾先輩に並ぶようにして菊丸先輩と不二先輩も座った。
「え…と」
「ああ、帰りかけていた彼女をたまたま見つけたから、誘ったんだよ。他意はない」
乾先輩は空になったお弁当のふたをすると、ランチョンマットに包み始めた。
「あ、乾先輩ごちそうさまでした。とても美味しかったです」
あたしは正座し直すとあわてて先輩にお辞儀した。
「ふうん、二人でランチを一緒に取っていたってわけなんだ」
片づける乾先輩を見ながら不二先輩が聞いてきた。
「たまたま、な」
乾先輩が逆光で答える。
「でも、七星ちゃんはなぜ学校に来ていたんだい?」
たまたまね、とつぶやくように言うと、不二先輩はあたしを見た。
「あ、委員会です。学園祭実行委員の会議が午前中にあったんです」
「そう…それなら、委員会のスケジュール、教えてくれるかな」
にっこりと不二先輩に微笑まれてしまった。
「え…夏休み中は2回しかありませんよ…?」
戸惑うように言うと
「それならテニス部の応援に来ること」
またにこやかに微笑む。
「え…で、でも」
「お昼つきだよ?」
お昼に釣られそう…かも。