青学編
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乾先輩はボトルのお茶で喉を湿らせると、早速語り始めた。
「望遠鏡を使って星をひとつずつ数えられる銀河は、我々の天の川銀河も含め、数十万から百万光年程度の距離にある銀河に限られる」
「百万光年…」
そんな遠くまでひとつひとつ数えるのかと思ったら、ちょっとクラッとする。
「天の川銀河の場合、太陽に換しておよそ10の11乗個分に相当する質量の星がある」
ゆっくりと乾先輩は語る。その視線は空を見ているように思える。
あたしも乾先輩から分けて貰ったおにぎりをひとつ頬張りながら、青い空を眺めた。
白い雲が流れている。
「しかし、これはあくまで近い距離の銀河の話だ。さらに遠くにある銀河になると、星を区別して数えるのは不可能になる。そのため、銀河全体の明るさを測定することで星の総数や総質量を推定するわけだな」
地球の外の話なせいか、今は蝉の声や、吹き渡る風が揺らす木の葉のざわめきで宇宙が距離以上にひどく遠く感じてしまう。
「我々からおよそ3億光年の距離までにある多数の銀河の距離と明るさを測定し、その明るさからそれぞれの銀河の存在する星の数を推定したところ、宇宙には7×10の22乗個の星があるんだそうだ」
「7×10の22乗…」
ええと…柳さんは、恒星が10の23乗って言ってたのよね。何だかダブルデータマンの数字でクラクラしそう…。
「ただ、これは3億光年までの銀河に基づいた結果にすぎない。120億光年を越える距離にある銀河も多数存在しているし、小さくて暗いと近くにあっても検出されない銀河もあるだろう」