青学編
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『7×10の22乗』
「やあ、七星ちゃん。蓮二から聞いたよ」
夏休みに入って毎日暑い中、その日は爽やかな気候を感じさせる委員会の登校日だった。
学園祭に向かっての準備段階だから、まだ話し合いとしては短いもので、会議は早めに終わった。
「え…柳さんから…ですか?」
帰りにテニスコートからボールを打つ音が聞こえたので、テニス部を少しだけ見て行こう、と思ったところを乾先輩に話しかけられたのだ。
「あの、柳さんは何かおっしゃってたんですか?」
柳さんとはつい先週、横浜の遊園地で会っている。
「立海レギュラー総出でデートしたそうじゃないか」
乾先輩はあたしに近付くと、背の高い身体を腰から折り、かがみ込むようにしてあたしにこっそりと囁いた。
「えっ…」
先輩に間近で囁かれたのにも焦ったけれど、内容にも驚いた。
「あ、あれはデートじゃないですよ! 立海の人達みんなで遊びに行っただけですから」
先週のことを思い出して、あたしはあわてた。
「ふうん」
乾先輩のレンズは、意味深に光ったように見えた。
(少なくとも立海の連中はそうは思ってはいない。これもまた七星ちゃんの鈍さゆえか)