青学編
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あれ…」
「え…リョーマくん…?」
ビックリした。
先頭集団なんてないまま、断突トップでリョーマくんが道の向こう側からいきなり現われた。
「…何でいるの?」
「その、折り返し地点の役目なの」
「ああ…何だここ折り返しか」
軽く足踏みしながらキョロキョロと辺りを見回してリョーマくんが言った。
「リョーマくん、急がないと次の人…」
「速いね越前」
言ってるそばから不二先輩がやって来て
「抜かすぜバーニング!」
なぜかラケットを持って走って来た河村先輩に
「何をしている」
まったく変わらない手塚先輩に
「あれ~何たまってんの? あ、七星ちゃん!」
追いついた菊丸先輩に
「先に行くっす…」
チラリと見ただけで通り過ぎる海堂先輩…。
「ほら、リョーマくん。せっかくトップだったんだから頑張ってゴールしてよ」
あたしは気が気じゃない。
テニス部の人達の後から次々と走って来た人が、立ち止まったままのリョーマくんを追い抜いて行く。
「トップ取ったら何かくれる?」
「何でもあげるから、早く行ってよ!」
「その言葉、忘れんなよ」
ニヤ…と笑ったリョーマくんはあたしに背中を向けゆっくりと走り出し、徐々に加速すると追い抜いた人達を次々と抜き返しながらあたしの視界から消えて行った。
最後の人があたしの周りを駆けて行ったので、あたしも学校へと帰り道を急いだ。
学校へ着いた時には、生徒達の大半はもう教室へ戻っていた。
「ご苦労さん」
竜崎先生に報告するとあたしも教室に向かった。
「待てよ」
振り向くとリョーマくんが立っていて、手に小さな紙を持って振っている。
「何?」
リョーマくんに近寄るとその紙を見せられた。それは2段に分かれ、上には男子1とあり、下には総合1ともあった。
「ちゃんとトップ取ったし」
「本当だ…凄い。よく巻き返せたね」
「当たり前でしょそんなの」
少し得意気に見えるのは気のせい…かな。
「で、約束。トップ取ったら何でもくれるって」
「…あ…」
ニンマリと笑うリョーマくんを見て失敗したな、と思った。けど、約束したものはしょうがない。
「…何がいいの? でも、あたしにも予算があるんだから、そんなに高い…」
「それは後日。これやる」