一筆箋
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『炭酸』
グラスに炭酸を注ぐと小さな泡がいくつも連なって浮かび上がる。
それだけでもかなりな清涼感だが、そこへ氷を二つ三つ落とせば、グラスと氷がぶつかり合う音で、また涼しさを呼んでくれる。
「あれ…ない」
家の冷蔵庫を開けた越前リョーマは、いつもはある炭酸飲料水が入っていないことに気づいた。
「ねぇ、炭酸ないんだけど」
「あ、ごめんなさい。さっきおじさまと一緒に飲んでしまったの」
キッチンでおやつのプリンを作っていた奈々子は、それを思い出すとあわてたようにリョーマに言った。
(チッ、親父の奴…)
普段炭酸飲料なんて飲まない父親に腹が立った。
せっかくの休日をダラダラ過ごそうかと思っていたのに、買いに出なければならない。
「プリン食べる? リョーマさん」
奈々子に聞かれたが、
「いらない」
すげなく断った。プリンも美味そうだが、目的の物がないとなると猛然と飲みたくてたまらなくなるのだ。
「行って来ます」
小銭入れをポケットに突っ込むと、リョーマは玄関から飛び出した。
fin.
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