青学編
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2月にしては暖かな昼休み。梅の花もほころび始め、春が間近なんだと思わせてくれる。
「こんなに天気がいいんだし、久し振りに外でお弁当食べちゃおかな…」
4時間目終了のチャイムと共に七星はお弁当の入った手提げ袋を手に飲み物を買おうと自販機へと向かった。
「七星ちゃん」
「不二先輩」
ちょっと驚いた顔で飲み物のボタンを押した不二は、こちらへ近付いて来た七星を見つめた。
「飲み物、買うの?」
自販機へ向かって来た相手に対し、ひどく当たり前のことを聞いてしまった。
「はい、お天気もいいですからピクニック気分で外で食べようと思って…」
七星は弁当の入った手提げ袋を軽く持ち上げて見せると不二に笑った。
「それ、僕も一緒じゃだめかな?」
「俺もいいかな?」
「え…?」
二人揃って声をかけて来た手塚へ顔を向けた。
せっかく七星と二人で…と思っていた不二には、手塚の出現は非常に迷惑な話だ。
「俺もいいっすよね?」
悪いけど…と手塚を退けようとした不二に、また新しく越前が声をかけて来た。
越前の手には小銭が握られ、やはり自販機の飲み物を買いに来たものと思われる。
(君もか越前…)
不二の表情が曇る。気持ちよく晴れた空の青さとは対照的だ。
「やぁ、楽しそうだな。俺もいいかな?」
次に現われたのは乾だ。
(君もか乾)
なぜか集まったテニス部員と七星がぞろぞろと自販機から離れ、臨時ピクニック会場へと向かう。
「急ごう、昼休みは45分。光が木星に届く時間だ」
光速の話をしながら乾が、校内には数少ない梅の花が咲く場所へと皆を案内した。
「ほう、綺麗なものだな…」
梅の勢いよく伸び始めた新芽と、いくつも開く花びら越しに透かし見えるまぶしい青空に手塚も思わず目を細める。
「ところで、何で皆あそこに集まって来たの?」
思い思いの場所に座りそれぞれが弁当や購買で買ったパンを広げ、かぶりつき始めて間もなく不二は周囲を見回し、テニス部員にそれとなく疑問を尋ねた。
「喉渇いたからっす」
「今日は天気もいいし、冷たい物が飲みたくなったからだ」
当たり前の答えが越前と手塚から返ってきた。
(そうだよね…でも、乾の後に急に増えたよね…)