箱庭~話の花束~Episode1〜
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『休憩時間』
「レギュラーは10分休憩! 次、2年コートに入れ!」
手塚の声が真夏の青空に響く。
「ふぃ~」
「今日はまた一段と暑い感じだにゃ~」
水飲み場で顔を洗う桃城と菊丸。
そこへ汗で濡れたバンダナを洗おうと海堂もやって来る。
「丁度いい、海堂。これをつけてみろ」
水で絞ったバンダナを頭につけようとしたところへ、何かを手にした乾が現れた。
「何すか? それ」
乾の手の中にある布ようの物体に目を止めると、海堂は聞いた。
「真夏のクールビズ」
「は?」
乾の言葉に海堂も菊丸も、つられて桃城もその布地へ注目する。
「今年の夏は暑さ対策に本気で取り組むのが主流だ」
「そうだね~、家でもエアコン使わないで簾(すだれ)やよしずを使い始めたよん」
菊丸が乾に答えて元気に親指を立てた。
「それとこれとどんな関係が……」
海堂は自分に使えと言われたせいか、布から目を離さない。
「これはこう使うのだ」
そう言うなり乾は布を水に濡らし、そのまま海堂の頭にバンダナと同じように巻きつけた。
「どうだ?」
「……!」
いきなりで驚きはしたが、頭がスーッと涼しくなるのを感じた。
「……何か、いいっす……」
しかし、なぜか目の端で笑いを噛み殺す菊丸と桃城の姿が入る。
「……?」
「海……堂。それ、給食のオバサンに見える……」
菊丸が腹をよじるようにして笑い出した。続けて桃城も。
乾の縛り方ではただの三角巾のままで、給食当番のそれである。
ハッと気づくが、すぐさま取っては乾の親切心が……と思う海堂。しかし、笑い転げる桃城と菊丸をひと睨みすると、その布を勢いよく掴み取り、思いきり蛇口をひねって水浸しにした。
「……っす」
元のバンダナと同じように絞め直すと、海堂は軽く乾に会釈をしコートへと戻った。
「ふむ、やはり無地ではあれだったか……」
と、逆光レンズの乾は一人データを更新した。
fin.