青学編
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相変わらず不二先輩はにこやかに笑う。
「じゃあね、サンタクロースが乗るトナカイのソリの速度はどれくらいだと思う? 」
『何だ、そんなことか。新幹線の100倍だ』
あっさりと答えが返る。
「あれ、知ってたんだ」
『単なる雑学だ。で? 正解なら呼んで構わねぇんだろ? 』
跡部のニヤつく声が不二の耳で笑う。
「仕方ないね、そう言っちゃったし。ただし、僕もついて行くけどいい? 」
『ハッ、てめぇ達も呼んでるぜ。俺様は心が広いんでね。招待状は送ってある。せいぜいめかしこんで来いよ。じゃあな』
「招待状…? 」
携帯を閉じて七星に返すと不二は跡部の言葉をつぶやいた。
「何すか? 」
結果待ちな越前が、不二に視線を向ける。
「何だかね、跡部が僕らもイブに呼んでいるみたいだよ」
「呼ぶ…? クリスマスパーティを主催してるってことっすか」
腕時計をチラリと見ると越前がカウンターの中から出て来た。
「本日の図書業務は終了。閉館っすよ」
言いながら手早くノートを閉じてカウンター脇に積み、鉛筆や定規はペン立てへ差し、カーテンを閉めた。
「さ、帰るぞ」
「僕もいるからね」
ムッとする越前と終始にこやかな不二。
イブの夜空をサンタクロースは駆け巡るのか。
三人で並んで歩きながら、七星はプレゼントを待ちわびる子供と同じに楽しみになった。
12月24日、クリスマスイブ。赤鼻のトナカイ、ルドルフを先頭にサンタのソリが北極の空へ駆け上がる。
世界中の子供達の元へ行くために。
fin.