いつもの青学ヒロインの他に、他校関連のヒロイン全てをまとめて『他校ヒロイン』として登場します。
その他・青学他校混合編〜Episode1〜
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切原が来たのは、手塚と真田の向かい側にあたるカウンターの端だった。そこにはすでに、先ほどまで菊丸たちといた桃城が座っていた。
「よ!」
「お、おう……」
片手を上げた桃城に、なぜ呼ばれたのかわからないまま、取りあえずの挨拶を返した。
「ところでよ……次の部長って話は立海では出てるのか?」
ぽそりと、辺りをはばかるかのように海堂が横目で切原に聞いた。
「……!」
二人に呼ばれた理由がわかった。
海堂、桃城、自分……三人とも二年生だ。
「ああ、多分俺だ。二年でレギュラーは俺しかいねぇし……」
座敷側でどっと笑い声が起こる中、切原は肩をすぼめた。
「そうか、だよな。はあ~でもよ、部長とか副部長とか、俺のガラじゃねぇのにな」
桃城もカウンターで頭を抱え込む。
「仕方ねぇことだ、誰かがやらねぇと」
海堂は湯飲みを見つめ、淡々とつぶやく。
「けど、よ。あんたらはまだいいよ」
桃城と海堂の間に座る切原は、盛り上がる座敷側をちらりと見ると、海堂と同じように茶の満たされた湯飲みをぼんやりと見つめた。
「二人は二年だし、下には越前もいる。氷帝の奴らもそうだ。鳳に日吉に樺地……三人もいる」
「切原……」
「けど、俺は一人だ。横を見ても下を見ても一人だ。来年……四月になったら、俺一人で王者と言われた立海を引っ張っていかなきゃならねぇって……すげー怖いんだよ」
絞り出すように言う切原の声は震えた。
「赤也」
「幸村……部長」
「お前は一人じゃないよ。それに、誰でも最初から大きな人間なわけじゃない」
いつの間にかカウンターの横に立っている幸村が、穏やかに話しかけてきた。
「立海の仲間を信じて。準レギュラーだって、俺たちに匹敵する特訓を積んで来ている」
「そうだぞ。不測の事態に備えて常にレギュラーと入れ替われるくらいの練習は全員している」
幸村に並び、柳もうなずいた。
「そうでなければ、卒業と入学で毎年部員が変わる学校で、常勝なんて言えないだろう?」
「部長……」
「自信を持っていいよ、赤也。赤也なりの部を作ってくれればいいから。そうすれば、結果も部員もみんな赤也についていく」
「部長……」
幸村の微笑みに目が潤みそうになるのを意地でこらえた。しかし、嬉しさの高まりは唇を噛みしめてもあふれた。
「大変かもだけど、桃も海堂も頑張って欲しいにゃ」
「そうだな。今度はお前たちが追われる立場だが、油断せず新しい部を作り上げてくれ」
「菊丸先輩……」
「部長……」
桃城と海堂も、先輩たちに囲まれ次々と肩を叩かれた。
「では、新しい部長、副部長たちに乾杯!!」
「乾杯!!」
ジュースやウーロン茶の入ったグラスがあちらこちらでぶつかり、軽快な音を立てた。
四月になれば、コートからも校舎からも先輩たちは消えてしまう。それがたまらなく寂しい。
いつまでも後輩のままでいたいと思ってしまう。
この立海で、この青学で、このテニス部で、いつまでもずっと。
それでも時は回る。
だから、送る人、送られる人に乾杯。
再び出会うまで……
fin.