いつもの青学ヒロインの他に、他校関連のヒロイン全てをまとめて『他校ヒロイン』として登場します。
その他・青学他校混合編〜Episode1〜
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『乾杯』
「お邪魔します」
「失礼いたします」
それぞれ挨拶とお辞儀をしながら、立海大のテニス部メンバーは河村寿司の暖簾をくぐった。
「らっしゃい! 今日ははるばると神奈川からよく来てくれたな。さっ! 遠慮しねぇでどんどんやってくんな!」
威勢のいい河村寿司の主人……青学テニス部、河村隆の父は、立海大のメンバーに用意されたカウンターやテーブルに座るよう愛想を振りまいた。
今日は全国大会の新たな覇者となった青学の祝勝会でもあるのだが、共に決勝戦を戦い抜いた立海も祝い合おう、という話が持ち上がり、河村の父が店の定休日に場所を提供してくれたのだ。
「おっと、これは立海大の先生ですね! お初にお目にかかりやす。どうぞこちらで一杯やって下さい」
「……副部長の真田です……」
にこやかにビールのコップを差し出しかけた河村の父は、そのまま固まった。
「……え? 生徒さん!? こりゃあまた、落ち着いた顔をしてらっしゃる」
目を丸くされた真田も複雑で微妙な表情で固まったが、その様子を見ていた立海と青学のメンバーは、必死に笑いをこらえていた。
その真田の肩に手塚が手を置き、静かに首を振った。
「俺もここで初対面の時、顧問に間違われた」
「そうなのか……」
「ああ……」
二人の間に奇妙な連帯感が流れた。
「あちらに行こう」
手塚と真田はカウンターの端に並んで腰を降ろした。
「ええと、では部長さんは……?」
河村の父は、今度は失敗しないという意気込みで立海大のメンバーに素早く目を走らせた。
「あ、俺です。部長の幸村です。本日はお招き下さいまして誠にありがとうございます」
お辞儀から頭を上げた幸村を見た河村の父は、目を点にし口をポカンと開けたまましばらく動かなかった。
「あの……?」
「こりゃあ驚いた。男装の麗人さんですかい。いや~こんなに麗しくてテニスも強いとは、いやいや、天は二物も三物も与えるもんなんですな」
はあ、と感嘆のため息をつきながらうなずく河村の父。
そして、やはり笑うに笑えず全身を震わす両校のメンバーたち。
「ねぇ、君のお父さん、後で駐車場に呼び出してもいいかな?」
「お、親父、もういいから! 何も言わなくていいから! 早く始めよう! な? 手塚、幸村、いいよな? な!?」
「ああ、そうだな。今日は共に祝おう」
河村の隣にスッと近づいた幸村に、焦る河村は盛大な勘違いな父親をあわてて制した。
そして、始まりの言葉を手塚が告げたとたん、腹を減らして待ち構えていたメンバーたちは一斉に目の前の寿司に飛びついた。
「なあ、切原。ちょっといいか?」
テーブルに出されていた寿司があらかたなくなり、両校の交流タイムとなり雑談に花が咲き始めた頃、離れたテーブルにいた海堂が切原のところにやって来た。
「え……と」
「行っておいで、赤也」
あまり接点のない海堂の誘いに戸惑う切原に、幸村が後押しをした。
「あ、はい。それじゃ……」