青学編
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立海に詐欺師の異名を持つやつがいるが…不二は青学の詐欺師だな、と乾は思った。
(天才に詐欺師…二大タイトル保持者か。これで美技なぞ披露し始めたら…面白すぎて破滅だな)
眼鏡を指先で持ち上げながら、乾は新しく不二のデータを頭のデータベースに入力した。
「お邪魔していいか? 」
その日、七星の教室入口から声をかけて来たのは手塚だった。
「手塚」
「手塚だ」
「手塚先輩? はいどうぞ」
それには不二達も驚いたし、取り巻いていた女子達からも熱い眼差しが向けられた。
天文同好会のある放課後、1年生の教室へ行けばテニス部を引退した3年生に会える。その噂は確実に全校へと流れて広まった。
「面白くないっス…」
「あ~だよな。しかもわざとか知らねぇけど、必ずテニス部の部活日と同じにするんだよな。いけねーな、いけねーよ」
テニスコートから七星の教室のある校舎を睨む越前と桃城。自分達はまったく七星に会えないのだ。これも不二の策略のひとつ。よけいな芽は出る前に排除する。
(けど、負けないよ、不二先輩。俺をあんまり甘く見ないで欲しいな)
ニヤ…と越前は校舎に向けて目だけで笑った。
早い日没が冷たい風を運ぶ。
(決戦はまだまだだね)
fin.