いつもの青学ヒロインの他に、他校関連のヒロイン全てをまとめて『他校ヒロイン』として登場します。
その他・青学他校混合編〜Episode1〜
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「よ、跡部」
「…忍足? 何でてめぇがいやがる?」
ほの明るい街灯の下で、ヴァイオリンケースを肩にかけた忍足が、空き地から引き揚げて来た跡部に片手を振った。
「レッスンの帰り…ちゅうんは建て前で手助けしよかな、と思うてたんよ。ま、必要あらへんかったけどな」
一瞬立ち止まりかけた跡部だが、そのまま忍足の前を通り過ぎた。
「ハッ、てめぇが参戦してどうする気だったんだよ」
後ろからついて来ている忍足の気配に、振り向きもせず跡部は聞いた。
「せやな、ここは穏便に不協和音攻撃やな」
のんびりとした声が返る。
跡部が呆れたように立ち止まって振り返った。
「…バーカ。んなことで勝負がつきゃ世の中平和だ」
「あれま、そらちゃうで。音感のええ人間には不協和音は拷問に近いんやから、繰り出す俺の方がカウンターショックなんよ。そらもう命懸けの技や」
どこまで本気で言っているんだか、跡部にはおどけた忍足がその目に映る。
「なら、ショックで潰れてろ」
素っ気なく言い放つと、跡部はまた前を向き歩き出した。
「跡部は、ええ奴やな」
「何だ急に」
歩調を早め隣りに並んだ忍足に、うさん臭げな視線を跡部は投げつけた。
「おとり捜査や。今日だけやなくて、何日かあいつらの推定出現場所をうろついてたやろ」
「……」
手の内が見透かされるのは本意ではない。特にこの忍足には。
「ふん、だから何だ。別にいい奴めいたつもりはねぇよ。あいつらは早めに叩かねぇと、いつ氷帝レギュラーも標的にされるかわからねぇからな。迷惑だったんだよ」
面白くないという表情でチラリと忍足を見ると、一歩先に足を踏み出した。
「じゃ、今日はお疲れ様。次に会うのは関東大会だけど、戦えるのを楽しみにしているよ」
「ああ、もちろんだ」
幸村の言葉に手塚もうなずく。