いつもの青学ヒロインの他に、他校関連のヒロイン全てをまとめて『他校ヒロイン』として登場します。
その他・青学他校混合編〜Episode1〜
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「でも、君のとこの真田もかなりな腕前じゃない。竹刀が真剣に見えるよ。凄い速さだね」
不二が真田の無駄のない動きを目で追いながら言った。
「ああ、居合いもやってるからな。詳しくは知らないけれど、示現流とか言っていたかな」
真田と同じ、立海の部長幸村もその動きに視線を合わせた。
「示現流?」
「薩摩示現流と言うみたいで、物凄いスピードと威力なんだそうだよ」
「へぇ、それってどれくらいなものなの?」
「新選組の近藤勇が薩摩藩士と出会ったなら、何が何でも初太刀から逃げろと教えたくらいだって、歴史関係の本で見かけたことがある」
「え…」
二人の目の前では跡部が華麗にフェンシングで、もちろん切っ先にはカバーが付けられ、あくまでも脅しをかけるのが目的だから、深手を負わせるようなことはせず美技を披露し、手塚も相手のやる気を削ぐための手塚ゾーンを足場の悪い中も続け、真田も剣豪並に次々とかかる敵をなぎ倒して行く。
「新選組も数多くの藩士達とやり合っているけど、薩摩藩士だけはただの一人もやられてはいないんだそうだ」
「ほんと? へぇ…それは凄いね」
歴史を紐とくような話題に不二は感心し、もう一度真田に視線を戻した。
「そろそろかたがついたかな」
時間にすればわずかだったようだが、襲いかかった連中は一様に息を荒げ、ぐったりと地面に倒れ込んでいる。
「畜生ーっ!」
倒れている一人が、大の字で仰向けのまま吠えた。
「たるんどる! 貴様ら何が目的でこのような事態を巻き起こした」
真田の一喝が飛んだ。
「くそーっ! モテたかったんだよ! 悪いか畜生ーっ」
「…あーん?」
「何だと?」
「何のことだ?」
跡部と手塚と真田の眉がひそまる。
「テニスやってる奴の方がかっこいいからって、フラれちまったんだよ!」
「情けねぇ…それで闇討ちかよ」
「まったくだ」
「たるんどる」
三人が異口同音に呆れたようにため息をついた。
「逆恨みってことかな」
「そうだね、でもここにいる全員がフラれているわけ?」
そんなはずはあるまいと、道路側の二人が思った時、
「テニス部ってだけで人気がある奴が許せねーんだよ」
「そうだ! 実力もねぇくせによ、テニスってだけでチャラチャラしやがって!」