いつもの青学ヒロインの他に、他校関連のヒロイン全てをまとめて『他校ヒロイン』として登場します。
その他・青学他校混合編〜Episode1〜
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「何なごんでやがんだよ! 邪魔しやがる奴はフクロだ!」
地面に倒れる仲間に瞬間たじろいだ連中だったが、まだ人数がいるせいか、ひるむことなく跡部と真田に飛びかかろうとした。
「がっ!」
「やめておけ。無駄な努力は徒労に終わる」
殴るはずだった男が、なぜか自分の足を押さえてうずくまってしまった。
「手塚…」
跡部と真田が見たものは、もう一つ先の街灯の下でラケットを構え、いつでも2打目を打ち出さんとしている手塚の姿だった。
「畜生! こうなったら構わねぇ、ここにいる連中全部やっちまえっ!」
リーダー格なのだろうか、先ほどうずくまった男がよろけながらも立ち上がり、怒り心頭で叫んだ。
「でーっ!」
「温いわっ!」
一番前にいた男が二人、同時に真田に襲いかかったが、あえなくも真田の竹刀に崩れた。
「あ…始まっちゃったね」
「そうだな、出遅れたかな」
緩い駆け足と共に、二つの影が乱闘になりかけている現場へ近づいた。
「へぇ…跡部ってフェンシングやるんだ。いかにもって感じだけど、さまになるのが跡部ってとこかな」
「まぁ俺様だし、自分が華麗に見えるものなら飛びつくだろうね」
好意的なのか、辛口批判なのかいささか判断しかねるが、この二人が跡部に対し、遠慮も悪びれもないのは確かだ。
二人が遠目に眺めているうち、乱闘は人気のない通りから道路沿いの空き地へと徐々に移動して行く。
「…俺も参戦したいところだけど、ガーデニングの技じゃ高枝切り挟みで剪定するか、埋めて堆肥作りくらいだものな。面白みに欠けるよね」
「そうでもないんじゃない? 別な意味で怖いと思うけど」
二人も乱闘の移動に合わせてのんびりと会話しながら移動して行く。
「だけど、君のとこの手塚。なかなかの節約家だね」
「…え?」
相手の意図がわからなくて、もう一人が相手を見上げた。
「だって、さっきからずっと1球だけで相手を仕留めてるだろう?」
「ああ、手塚ゾーンだからね。打ち出されたボールは必ず手塚の元に戻る」
二人の立つ道路際から一段低い空き地で広がる喧騒を横目に、手塚と同じ青学のもう一人、不二が当の手塚を見つめながら答えた。