いつもの青学ヒロインの他に、他校関連のヒロイン全てをまとめて『他校ヒロイン』として登場します。
その他・青学他校混合編〜Episode1〜
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辺りはすでに薄暗い。
「フン…。気配はねぇ…か」
肩に大きなラケットバッグをかけ、ゆっくりと漂うように歩くその姿は、ともすれば宵闇に紛れて見失いがちだ。
しかし姿とは裏腹な油断のない眼差しは、絶えず周囲に気を回し、ピリピリとした緊張感に包まれている。
(チッ、今日も外れか…)
かなりな時間をかけ、およそ自宅とはかけ離れた薄暗い裏通りを、その人物は歩き続ける。
しかし目的が遂げられなかったのか、人通りのない道のはずれまで来た時に足を止めた。
「この野郎!」
「覚悟しやがれ!」
不意に、暗さが吹き溜まった物陰から影がいくつか飛び出した。
「フン、ようやくお出ましか。待ちくたびれたぜ」
ぐるりと取り囲まれたというのに、動ずるでもなく口の端で笑った。
「けっ! カッコつけてんじゃねーよ」
「しゃらくせぇ」
「やっちまえ!」
「てめぇみたいな奴がムカつくんだよ!」
口々に言い放つと、物陰から現われた連中は、木刀や野球のバットを手に一斉に殴りかかった。
「ハッ!」
「でっ!」
「うわっ! 何しやがるっ!」
飛びかかったうちの一人は、何かが身体に当たりその痛さで思わず後ずさった。
「何しやがるはこっちのセリフだ」
ほの暗い街灯の下で、優雅に構えるその人物の手の物がキラリと反射した。
「き…凶器とは卑怯だぞ!」
「あーん? 卑怯はどっちだ」
さげすむように口元が微笑し、瞳が見下す。
「何だと、こんの野郎ー!」
怒りがあらわになり腕をわなつかせ、見下された男は木刀をきつく掴み直すと本気で殴りにかかった。
だが、
「ちぇすとーっ!」
「ぐわあっ!」
殴りかかる寸前、背後から何者かの攻撃を受けてその場に倒れた。
「安心しろ、峰打ちだ」
倒れた人物に一瞥をくれると、殴りかかられた人物に向かい合った。
「失態だな跡部。こんな連中に手こずるようでは、この先は怪しいぞ」
「ハッ、真田こそ。せっかく俺様がこれから華麗なる技を披露するところだってのに、見せ場を横取りしてんじゃねぇよ」
一瞬意外そうな顔をしたが、すぐさまそれは打ち消され、楽しむような表情へと変わった。