しかし、それは普通な次元でのことだ。ライバルが集まって同じテーブルを囲んだら…


それはまれに大食い大会へと発展する…。



「てめぇには負けねぇぜ、木更津。フカヒレまんひとつ」
「ふん、こっちこそそっくり返すよ、宍戸。角煮まんひとつ」

「…アホらしいですわ。肉まんひとつ」
「まったくだ。あんまんひとつ…あんまんをあんまんり食べるとあんまいん…プッ」


「…いつの間にこないなことになったんやろか…カレーまんひとつや」
「そら、名前の同じお人同士のせいやないんか？ 高菜まんひとつな」
「けど、四天宝寺は三人だけやで？ 圧倒的に不利やろ？ 豚まんひとつや」
「そこは上位三人に絞れば問題ねぇだろ」
「跡部食わへんの？ 」
「…バカらしい…やってられるか」

ただ一人、優雅に窓際のテーブルでジャスミンティーをたしなむ跡部。
あさましく中華まん対決を各テーブルで繰り広げるメンバー達とは対象的だ。

「いい加減ギブアップしろよ、木更津。可愛げねぇぜ。チャーシューまんひとつ」
「それはそっちこそだよ。男に可愛げなんて要らないし。ピザまんひとつ」


テニス部３校が食い荒らす中華まん対決。どうなる店の在庫。いや、ここは食の台所中華街。食材に不自由はしない。

しかし…閉店まで続くのか。

それは、胃袋のみが知る…。


fin.