いつもの青学ヒロインの他に、他校関連のヒロイン全てをまとめて『他校ヒロイン』として登場します。
その他・青学他校混合編〜Episode1〜
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『猫日和2』
「カルピン、おいカルピン」
冬も間近な穏やかに晴れ間がのぞく晩秋の午後。
「…っかしいな…ついさっきまでここにいたと思ったのに…」
柔らかな午後の日差しが入る越前家の廊下に置かれた座布団の上に、先ほどまでそこで丸まっていたであろう飼い猫のぬくもりがまだわずかに残る。
「リョーマさん、お茶にしない?今、おやつのお菓子買って来たのよ」
「あ、奈々子さん。カルピン知らない? 」
廊下からリビングへと飼い猫の姿を探してキョロキョロしていたリョーマに、スーパーの袋をダイニングテーブルに置いたばかりの奈々子が声をかけた。
「カルピンなら、お墓の方へ塀伝いに歩いてったわよ」
「墓…? 」
また罰当たりな…と思ったが今のリョーマは猫を構いたくてたまらないのだ。猫と言うのは気まぐれで、構って欲しい時にはすり寄るくせに、こちらが構いたい時にはいないときている。
(絶対カルピンをゴロゴロ言わす)
妙な決意にこぶしをグッと握り込むと、奈々子に背を向け玄関へと大股で向かう。
「リョーマさんお茶は? 」
「後で」
履き慣れたスニーカーに足を突っ込むと、ずっと手にしたままの猫じゃらしとともに外へ駆け出した。