忍足は真面目な顔で腕を組むと、一人頷くように首を振った。

「それほど力を込めるような、うちに似合う土産があるのか…？ 」
少し疑問を感じながらも柳も真田の手元に視線を向けた…ように見えた。

「もちろんや。立海以外ありえへん！ 」
怒濤のごとく忍足が握り拳で叫んだ。

「ふ…ふーん、それはありがとう。痛み入るよ」
忍足の勢いに押されがちに、幸村が一歩下がった。

「菓子だって？ だったらすぐ開けようぜぃ？ 」
話を聞きつけた丸井が真田に駆け寄ると、パッとその手から無遠慮に箱を取り上げ、テーブルの上で包装紙を勢いよく破ってはがしたとたん、箱に印刷された文字が目に飛び込んだ。

「ぶははは！ 確かに立海だぜ！ はははは」
「え？ 」
いきなり吹き出した丸井に驚き、一斉に立海メンバーは箱を見た。

『うまくてたまらん』

真田以外には大受けだったとか。

fin.