いつもの青学ヒロインの他に、立海ヒロインと立海関連のヒロインが『立海ヒロイン』として登場します。
立海編
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「あ、餅と言えば! 親戚から丸い餅が送られてきて驚いたんスよ!」
「ほう、丸餅は主に西日本で食べられているものだ」
「えっ! そうだったんスか? 全然知らなかったっス!」
柳の言葉にカルチャーショックを受けた切原は目を輝かせた。
「一般的に東日本は焼いた角餅、西日本は焼かない丸餅を雑煮に入れる。境となる、富山、石川、岐阜、三重、和歌山では両方が混在するようだな」
「へー!」
柳のデータは餅にも及ぶのかと、その場にいる誰もが思った。
「味付けに関しては、関西風は白味噌を連想するが、意外に醤油が優勢で、出雲や能登半島の一部で小豆雑煮の地域もある。味噌派でも赤味噌派、白味噌派に分かれたりもする」
「小豆雑煮って、まさかの汁粉!?」
今度は丸井が目を輝かせた。
「え、餅が入ってたらぜんざいじゃないっスか?」
「え、小豆と餅なら汁粉だろぃ?」
「え?」
「え?」
二人同時に柳を振り返った。
「ああ、汁粉とぜんざいの違いは諸説あってハッキリしない」
あきれたようにため息をつきながら、柳が解説を始める。
「まず、こし餡に白玉の入ったものが『汁粉』で、粒餡に焼いた餅が入るのが『ぜんざい』という説。次に、小豆を使ったすべての汁物が『汁粉』で、その中でも粒餡に餅のものが『ぜんざい』という説。それから、小豆と餅の汁物デザートを関東で『汁粉』関西が『ぜんざい』という説。それに、ぜんざいの呼び名のない地方もあるようだし、そこでは『~汁粉』と分けられている」
「はー……そっスか……」
「そうか……」
説明で解決はつかず、切原と丸井は疲れた顔になっていた。
「あーあれっスね、ムササビとモモンガみたいなもんスね」
その場の雰囲気をごまかすように切原が笑った。
「では教えよう。ムササビとモモンガの違いとは……」
「いや、もういいっス! 説明で腹いっぱいっス!」
ずいっと近づいた柳に、後ずさりながら切原は首と手を振った。
「皆いいかい? 練習始めるよ」
部室のドアが開き、立海のジャージに身を包んだ幸村が爽やかな笑顔で現れた。
「イエッサー!」
掛け声と共に一斉に外へ飛び出した。
「ヤバいっスよ~丸井先輩。俺もうさっきからぜんざい食いたくなっちまって、ほんとどうしよう」
「お前もそうなら俺はもっとそうなんだぜ! ヤバいくらいに身体が汁粉状態なんだって!!」
柔軟体操をしながら、なぜだか恨めしげに柳を見る二人。
「帰りはぜってー甘味処だからな?」
「うっしゃ!」
意見の一致と、かつてない意気込みが練習に反映し、さしもの真田も感心しきりだったとか。
fin.